八回目の年女
「ほんなら私は、籠の鳥かい?」
「うんにゃ~、そりは16才までたい」。
私の実母と夫は大の仲良しです。
数回の大手術の度に、姉弟妹も医師団から「覚悟をしてください」と幾たび言われたか・・・
それに耐えて母は見事に回復しました。
しかし要介護度は2に逆戻り、自由に外出もできなくなって
今は、施設のフロアーで手押し車での散歩を、毎日楽しみにしています。
大晦日に、チラチラ降りだした
雪を見て
「あ~ さわってみたかねぇ・・・」
「そりは、無理じゃろねぇ・・・」
わたしの母に、やさしくたしなめた夫の一言でした。
「いま一番食べたいのは、大宰府の梅が枝餅たい、一個でよかけんね」
「介護士さんの許可がもらえたら、すぐ買うて来るけん、
あと、一寸だけ待っとかんな」
最近はすっかり大人しくなった寅年の母は,まもなく
96才の誕生日を迎えます。
我が家の梅の蕾が、少しふくらんできました
母に見せたら、顔もほころぶでしょうに・・・