hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『準急』と『急行』

2013-11-10 07:50:19 | 日記

鉄道シリーズその16。最近では動物や植物などをレッドノートなどといって保護が必要な種類に対し、社会に警鐘を鳴らすことが一般化している。鳥類ではドドやリョコウバトなどは絶滅してしまい、トキやアホウドリが絶滅危惧種のカテゴリーに入っている。また、日本産のメダカやゲンゴロウまでもが絶滅危惧種となってしまったことがニュースになっている。

これは鉄道の世界にもある。ことJRに限ると『準急』は絶滅種であり、『急行』もあと1種類1往復しか走っておらず、どう見ても絶滅危惧種である。勿論、私鉄では両方とも無事に生き残っているが。今日はJRと国鉄の『準急』『急行』に触れて見たい。


まず『準急』、初めて準急という名がついた列車は1926年の東京~名古屋と名古屋~神戸を走った。戦中は一旦休止したが、1946年には復活。準急の基準は列車電車の規格が急行より劣り、300キロ未満短距離であり、急行よりやや安い料金で乗れるものとして運用された。ただ、中にはかすが(名古屋~湊町、関西本線経由)、ひかり(博多~門司港~大分~熊本)など長い距離を走る例外もあったが。しかし、その存在も徐々に曖昧になり、1968年10月のいわゆる『ヨン、サン、トウ』の改正であっさり全廃された。その後は無料で乗れる快速が都市近郊部では運行され、準急は全く復活の機運もない。

一方、『急行』は準急より古く1894年に山陽鉄道が神戸~広島で運転したのが嚆矢。官設鉄道は1896年 新橋~神戸間で運転をした。戦中から戦後にかけて一時運転を休止したが、間も無く復活、昭和30年代、新幹線開通までが黄金期である。


例えば、1961年10月の時刻表で東海道本線下りのページを見ると、8時半六甲(~神戸)、9時18分桜島(~西鹿児島)、9時半しろやま(~大阪)、10時いこま(~大阪)、10時50分第1なに
わ(~大阪)、11時霧島(~西鹿児島)、12時20分第1せっつ(~大阪)、12時半雲仙・西海(~長崎,佐世保)、14時第1よど(~大阪)、14時35分高千穂(~西鹿児島)、19時半はりま(~姫路)、19時50分出雲(~浜田)、20時伊勢・那智(~鳥羽・新宮)、20時10分第2せっつ(~大阪)、20時20分能登(~金沢、東海道回り)、20時30分安芸(~広島)、20時40分銀河(~大阪)、20時50分第2いこま(~大阪)、21時瀬戸(~宇野)、21時10分明星(~大阪)、21時20分第2なにわ(~大阪)、21時半筑紫・豊後(~博多・大分)、21時40分彗星(~大阪)、21時50分第2六甲(~大阪)、22時月光(~大阪)、22時10分金星(~大阪)、22時半第2よど(~大阪)、22時45分大和(~湊町)と28本、特に20~21時は10分に一本と今の新幹線並みに急行が走っていた。

小生も学生の頃までは東海道本線では静岡行の東海や伊豆急下田行の伊豆、信越本線の妙高や信州、白山(白山は途中で特急に格上げ)、夜行の能登や越前などまだ多くの急行が走っていた。しかし、新幹線開業やL特急の開始などでかなりの急行が特急に格上げされたり、急行券のいらない快速や新快速となるなどして減少の一途をたどり、急行はきたぐに(大阪~青森)の廃止で今は客車急行のはまなす(青森~札幌)の1往復のみという状況。しかし、はまなすも車両の老朽化が進んでおり、風前の灯である。これも『昭和は遠くなりにけり』かもしれない。