鉄道シリーズ その46。私鉄の駅の名前をみるとかつて経営していた(一部は今も経営されている)遊園地の名前を付けた駅は多い。関東に限っても西武鉄道の『西武園』『豊島園』これは今も遊園地はあるが、小田急電鉄の『向ヶ丘遊園(2002年閉園)』、京成電鉄の『谷津遊園(1982年閉園)』、京浜急行の『花月園(1946年閉園、競輪場も2002年廃止)』、変わったところではJR青梅線にあった『楽々園(現在、石神前駅)遊園地』も昭和初期につくられたが、戦前のうちに閉園している。
また、今は名前が変わったが、東急東横線の多摩川駅は昔は『多摩川園(1979年閉園)』だったし、東急田園都市線の二子玉川駅は『二子玉川園(1985年閉園)』であった。これは大正から昭和初期にかけて各私鉄のサイドビジネスとして沿線に遊園地を作り、集客をするとともに鉄道利用の促進をしたものである。
京王電鉄も相模原線京王多摩川駅に『京王遊園(1955年~1971年、今はテニスクラブとなっている。)』、『京王閣(1927年~1947年、今は競輪場となっている。)』があり、近くには日活の撮影所があったため、東洋のハリウッドと言われた時期もあったらしい。
また、都電荒川線をかつて経営していた王子電気軌道も一時『荒川遊園』を経営していたことがある。これは今は荒川区が運営していることもあり、閉園となっていないが、西武を除き殆どが閉園したことは寂しいものである。
そのうちなんでこの駅が『向ヶ丘遊園』というのか、なぜ急行停車駅なのか、すら分からなくなる日がくるような気がする。