大原三千院を訪れたのは昨年4月10日。天気も芳しくなく、その前に訪れた比叡山延暦寺では風花が舞ったほど。この寺を訪れるのはかれこれ10年ぶりで、当時は『京都大原三千院~』などと歌を歌いながらいわゆる名所旧跡巡りの一つで大阪からこの寺を見に来た。しかしその後古寺巡礼を行うにあたり、この寺の阿弥陀三尊像を是非拝みたくて伺った次第。寺自体が986年恵心僧都源信が父母の菩提のため建立したと言われ、国宝阿弥陀三尊は姿が大きいため、本堂ではなく庭にある往生極楽院に収められている。本道を歩き、見事な庭にでると往生極楽院につく。その日は春休みも終わり、天候も曇天のため参詣の人が比較的少なく、じっくり座って拝むことができる。中尊の阿弥陀如来は来迎印を結び、右の観世音菩薩は往生者を蓮台に乗せる姿で、左の勢至菩薩は合掌し、両菩薩とも大和座りの自費に満ちた姿で感銘を受ける。
さらに庭を行くと可愛らしいわらべ地蔵がいくつも苔むした暖かそうな中に自然のままいらっしゃる姿は微笑ましい。こちらは必死にシャッターを切っていた。
さらにいくつものお堂が花や草の中にはえ、時間を思わず忘れてしまうような素晴らしい古刹である。また、少し遅い桜も良い思い出となった。こうした思い出に残る古刹をひとつづつ御紹介してゆきたい。なお、売店には便所の神様の御札も売っているのでぜひ買われると良い。