『メトロに乗って』その51。月島もんじゃストリートを歩き終え、次は佃島に向かう。佃大橋通り(都道473号線)を渡り、左に曲がる。次を右に折れると佃支川が突然左側に現れる。
この辺りからは昔ながらの漁師町であった佃島が残る地域である。まずは波除稲荷、こじんまりした漁師の守り神。
そして見えてきた赤い欄干の橋が佃小橋。橋の上からみると小型の漁船や釣り船の船溜りとなっており、昔ながらの漁村、その奥には林立する近代的なタワーマンションという面白い風景が広がる。
橋を渡ると突き当たりには佃まつりの際に担がれる神輿があり、その横には渡船の跡を偲ぶ石碑が立っている。
突き当たりを右に曲がると住吉神社、この神社は摂津国佃から家康が漁民33名を移住させた際併せて摂津国佃の住吉神社の神職が分身霊を奉戴して江戸に下り、幕府より鉄砲洲向かいの干潟を賜り、築島した。
これを故郷の名を取り佃島とし、この地に社を構えたもので、江戸時代から海上安全、渡航安全の守護神として信仰を集めた。また、例祭は3年に1度8月6日に行われるが、古典落語『佃祭』にも登場する。(次回は2018年)
この住吉神社にお参りする。紅梅白梅がほころび、境内はそれほど大きくはないが、キリッとした神社である。水盤舎は明治2年のもので佃の風景が欄間に描かれ、水盤は天保12年の銘がある。
佃神社の反対側には佃煮を売る老舗が3軒、特に天安は昔ながらの造りの店で人気が高いようである。
隅田川の淵に上がると左には佃大橋、右には中央大橋を臨むことができる。この辺りに来ると隅田川も大河となり、クルーザーがすごい勢いで行き交う。
隅田川沿いに歩くと昔の灯台を模したオブジェ、その横には神社の淵を通る佃支川の流れを見ることができる。
江戸の風情と現代の技術を尽くしたタワーマンションがなぜか上手く調和した不思議な街並みが続く。とにかく見どころが多い月島・佃の散歩であった。(橋は橋めぐりで改めて)