『ぶらっと橋めぐり』その31。中央大橋を渡り終え、隅田川沿いに歩く。しばらく行くと『一等水準点 交無号』がある。これは日本の標高基準である東京湾平均海面と日本水準点を繋ぐために重要な役割を果たした水準点を記念したもの。
東京湾平均海面は明治6〜12年に霊岸島に置かれた量水標での潮位観測で決められたが、さらに堅固な水準点として明治24年に設置されたのがこの『一等水準点 交無号』である。
そして霊岸島水位観潮所はその先70mのところにあるが、すでに観測所は神奈川県油壺に移され、モニュメントが残されているに過ぎない。
その先には亀島水門があり、その裏にあるのが今回訪れた『南高橋』である。
前置きは長くなったが、亀島川の最下流にある橋であり、河口側には水門があるため、中央大橋からはその姿は見ることができない。この橋は1923年に関東大震災の復興事業により作られたものだが、予算が乏しく、両国橋の一部を用いて作られたトラス橋である。長さは63m、幅員は11mと小規模な橋だが、奇しくも明治の鉄橋が現代に遺される結果となった。
名前は上流に高橋があるため、その南側にある橋という意味だが、正面からは威風堂々とした雰囲気を残す名橋である。