映画「中島みゆき 夜会VOL.20「リトル・トーキョー」劇場版」を観た。
ここはトーキョー♪ リルトーキョー♪ トーキョーにはないトーキョー♬
1952年生まれの中島みゆきは、本作品の基のコンサート゛夜会VOL20「リトル・トーキョー」゛の公演期間2019年1月30日(水)~2月27日(水)の間に、67歳の誕生日を迎えている。古稀に近づいても力強い歌声は健在だった。
渡辺真知子は久しぶりに見た。1956年生まれ。コンサートのときは62歳だった。それにしてはよく声が出ていて、歌手というのは訓練を続けていればいくつになってもちゃんと声が出るものだと感心した。それにパワーのある歌声に驚いたのは石田匠。
コンサートでは毎度のことだが、舞台の歌手の歌声はテレビやネットで聞いているより、ずっと声量が大きい。アンプの増幅ではなく、本人の地声が大きいのだ。夏川りみや城南海のコンサートで特にそう感じた。中島みゆきの声もCDの声よりずっと大きかった。
実は「夜会」のコンサートの申込みはずっと続けていたが、一度も当選したことがない。代わりにと言ってはなんだが、中島みゆきリスペクトコンサート「歌縁(うたえにし)」に2018年3月(日本武道館)と2019年3月(新宿文化センター)の二度、お邪魔している。いずれも中島みゆきの代表的な曲とも言うべき「時代」「世情」「糸」「おもいで河」「ファイト!」「銀の龍の背に乗って」などを研ナオコ、クミコ、中村中、新妻聖子、平原綾香、島津亜矢、咲妃みゆ、半﨑美子、由紀さおりなどが歌い上げる。今年は開催の情報が入ってこなかったからコロナ禍で中止なのだろう。
本作品では30曲あまりの歌が披露されたが、その全てが一度も聞いたことがない歌ばかりで、中島みゆきといえばというマイナーコードの歌ではなく、メジャーコードの歌が主体だった。簡単に言うと暗い歌ではなくて明るい歌だ。そうか、中島みゆきにはこういう側面もあるのだと、新しい発見があった。瀬尾一三さんの編曲は大変に壮大で、音楽劇としての盛り上がりは十分だった。
長く想い続けた恋、恥ずかしくておどけてしまう悲しさ、友情、家族愛、お金の話など、詰め込みたいだけ詰め込んだようなストーリーだが、中島みゆきの優しさが全体を包み込んでいる。歌を聞いているうちにこちらまでその優しさに包まれるみたいで、ときどき意味もなく涙が出る。
「夜会」コンサートのチケット料金は20,000円。本作品の料金は2,600円だ。コンサートの臨場感も楽しめてこの価格ならリーズナブルであろう。今後のコンサートはコロナ禍で中止になっているようだから、現役の中島みゆきをこちらで鑑賞できたのは貴重であった。