会津人は嘘をつくのが嫌いだし、きれいごとで国民を騙すのは恥だと思っている。鳩山由紀夫氏首相や民主党を軽蔑するのもそのためだ。佐藤慶が去る2日に死去していたことが明らかになったが、彼が悪役に徹したのは、正義という名の下に不正を行われていたのを知っていたからだ。彼こそが会津人の典型で、司馬遼太郎が述べていた自虐的なイロニーの持ち主であった。自分や身内の者を徹底的にこきおろすのも、気恥ずかしいからである。佐藤慶は、生粋の会津人であった。だからこそ、権力に背を向けたのである。明治維新以降、まったく好い思いをしたことがない会津人にとっては、権力者はいつの時代も敵なのである。民主党中心の政権が誕生しても、それは変らない。日本国憲法の文章を朗読した佐藤慶の声が、ネットの動画で紹介されている。左翼の連中はそれでもって、佐藤慶を神輿に担ぎ上げたいのだろう。しかし、会津人は一筋縄ではいかない手合いなのである。佐藤慶の本心は、きれいごとだけを語る正義派に、異議を唱えたかったのではなかろうか。屈折した会津人の思いにこだわったはずだ。世に受け入れらなかった敗者の悔しさがにじみ出ているのは、会津人だからだろう。会津人にとっては、佐藤慶のような役者が一人出たことで、以って瞑すべきなのである。悪は必ずしも悪ではないのである。きれいごとだけの連中の度肝を抜くことが、演劇や映画の醍醐味でもあるわけだから。
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