日本が混乱しているのは、まともな言論人が皆無になってしまったからだ。とくに、テレビに登場するジャーナリストが問題である。素人とたいして変らない連中がコメントするわけだから、どうしようもない。それをチェックしているのが、声なき声を代弁するネットだというのも確かだ。動画としてアップされるから、そこで責任が問われるのである。気がかりなのは、保守派の文化人があまりテレビに登場しなくなったことだ。それよりも、番組製作会社お抱えのタレントが、安いギャラで出演しているのが目立つ。コメンテーターというのは、あくまでも肩書きであって、芸能プロダクションに所属しているタレントで間に合ってしまうのだ。信念を持っているかどうかよりも、番組に一回でも多く出たいというのが本音なのだから、自己規制をかけることになるのは、当然のことである。しかし、そんな連中に勝手なことを言わせていたのでは、日本がとんでもないことになる。だからこそ、ネットが監視役を果たしているのである。保守派の文化人は、以前は日本文化会議、日本文化フォーラム、民社研、心グループなどに所属していた。いずれもきらめくような知性ばかりであった。小林秀雄、田中美知太郎、福田恆存らをすぐに思い浮かべることができる。リベラルというイデオロギーを振りかざす者たちの跳梁跋扈を許さないためにも、今こそ若手の保守派文化人が現われることを願ってやまない。『国家への意志』を書いた櫻田淳のような思想家があと数人いれば、日本は変ると思うのだが。
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