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草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

福田恆存が批判したのは過去への不信から出発した思想だ!

2013年09月16日 | 思想家

 戦後の日本人は、それまでの歴史を否定して、新たに生まれ変わろうとした。その結果もたらされたのは、混乱でしかなかった。しかし、ようやく日本人は、日本の過去を問題にするようになってきた。そうした今の若い人たちの動きを、私は好意的に受け止めている。福田恆存ほど過去にこだわった思想家はいない。福田は『人間・この劇的なるもの』において、「私たちは過去にたいする不信から未来への信頼を生むことはできない。身近な個人にたいする不信から社曾にたいする信頼を生むことはできない。それにもかかゝはらず、現代の自由思想は、さういふむだな努力をしてはゐないだろうか。その未来社曾にたいする期待は、過去の傳統や秩序や倫理感の否定と、身近な特定の他人にたいする不信感とから出発したものではないだろうか」と書いている。自由思想は何物をも拠り所としないために、かえって悲劇をもたらすことを見抜いたのだった。すでにこの世を去ったとしても、私は保守派の論客としての福田に、全幅の信頼を寄せている。古いものは新しいものによって乗り越えられるべきだろう。そこであえて私たちに問うのである。古いものの大切さを。「古いものが新しいものを裁くといふことは、それ自體としてはまちがつてゐる。が、その原則を否定すれば、私たちは、さらにまちがひを犯すことにならう。新しいものが古いものに自分を裁かしめるといふのは、過去にたいする信頼感なくしてはできぬことだからだ」。歴史の歩みは絶えず前進と後退を繰り返しながら、前に進むのである。過去への信頼にもとづきながら、歩を進めるのである。信頼なき改革や革命からは、絶望しか生まれないのである。

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歯切れが悪すぎる西田昌司参議院議員の消費税増税擁護!

2013年09月16日 | 経済

 政治家が弁解するのは見苦しいし、歯切れが悪くなるものだ。「週刊西田の一問一答」で、消費税増税を容認した西田昌司参議院議員。それをニコニコ動画で見て、改めてその思いを強くした。以前は断固反対を主張してはずだったのに、コロリと態度を変えたのだった。これには保守派のネット住民も驚いたのではないだろうか。デフレ下の消費税増税に反対していたからこそ、一躍注目されたのではないだろうか。さらに、ガッカリしたのは、今になって、反対派を、グローバリズムの信奉者だと決めつけたことだ。私は郷土の先輩である小室直樹をいつも引き合いに出すが、小室が言っていたように、現状においては、マクロ的にはケインズ、ミクロ的には規制緩和なのである。国が大規模な公共投資をやったとしても、官僚の既得権益の拡大には結び付かないようにしなければならない。消費税を上げて国民からカネを吸い上げ、それを役人がばら撒くというシステムは、何度やっても失敗の連続なのである。アベノミクスによって、国民のマインドが明るい方向に向きつつある。そこに冷水を浴びせるべきではないだろう。西田議員はもう正論を吐くことをやめたのだろうか。私は彼を変節漢と呼ぶつもりはない。政治家は政局が第一であり、しかも、一議員のできることは限られているからだ。消費税増税に続いて、その後にはTPPが控えている。もはや今の自民党では限界があるのであり、どうリニューアルするかなのである。

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