草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

「比喩的俗語」を濫用する新聞を揶揄した福田恆存!

2013年09月28日 | マスコミ評

 福田恆存は『言論の自由といふ事』のなかで、新聞の文章を理解するのが難しい理由として、「比喩的俗語」の濫用を挙げている。事実を述べるにあたって「腹」「運命」「左右される」「筋違い」「深刻な波紋」「死守」「邁進」などで表現すると、かえって事実を伝えることにはならないからだ。福田は「俗語の特徴は比喩にある。眼にみえぬ心理的なものを、具体的な事実や行動に、あるいは行動より具体的な行動に、あるいはまた団体的な行動を個人的な行動に、たくみにすりかへて実感をだすのは比喩的表現の面目である」と述べている。そして、その悪弊として「かういふ比喩的俗語の濫用によって、一見記事はヴィヴィッドでおもしろくなるが、おそらく事実や真相から遠ざかるにちがひない。同時に、事実や真相があいまいであるばあひ、この種の表現法はなかなか便利だといふ結果も生じる」と指摘した。新聞記者であるのなら「文章を書く人間という自覚がなければならぬ」と批判したのだ。ちなみに、今日付けの朝日新聞の「天声人語」でも「比喩的俗語」の濫用が目立つ。「粒ぞろい」「ひときわ光る」「寄り添う」「胸に迫る」「筆紙に尽くせまい」「負わされる責任」。事実で語らせるよりも、インパクトのある「比喩的俗語」に頼っているのである。ブログを執筆している身としても、気を付けなくてはならないが、新聞が信用されないのは、その文体にも起因しているのであり、形式が内容を決定するのである。

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「積極的平和主義」掲げ汗も血も流す覚悟を表明した安倍首相!

2013年09月28日 | 安全保障

 大東亜戦争について、日本が全て悪であるかのような東京裁判史観を見直すには、アメリカの認識を改めさせることが大事である。そのためにも、対等なパートナーとなって、意見を言える立場を確保すべきだろう。安倍晋三首相が国連での演説で「新たな積極的平和主義を掲げる」と演説した。早速、朝日新聞などは今日の社説で攻撃しているが、お題目を唱えるだけの平和主義ではなく、国際貢献を踏まえた平和主義を訴えたのは高く評価されるべきだろう。また、そうした立場を国際社会に訴えるにあたって、日米同盟が前提であることはあたりまえだ。集団的自衛権を見直し、自衛隊とともに行動する米軍の艦船が攻撃された場合には、反撃できるようにする。それは当然のことだろう。朝日新聞がクレームを付けるのは、中共などを利するだけだ。一応保守派を名乗っている山崎正和が『歴史の真実と政治の正義』のなかで、東京裁判に関して、「あの判決を含む歴史認識はいわば『書かれざる条約』であって、もしそれを国家の立場で否定しようとするなら、国民全体が相当に苛酷な国際政治の葛藤を覚悟しなければならない」と書いている。そこにあるのは、真実がどうあろうと「中共や韓国に膝を屈すべきだ」との敗北主義である。しかし、日米が真のパートナーとなり、日本が国際社会のなかで、汗も血も流す覚悟を表明すれば、アメリカも世界も分かってくれるはずだ。安倍首相の国連での演説は、戦後レジームから脱却し東京裁判史観を見直す第一歩となったのである。

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