ドレミファブックのB面の物語のなかで、子どもの頃すきだったもののひとつ。
「ハンメルンのふえふき」
ご存知、 「正義」の物語。
ねずみが大量発生したハンメルンの街に、ひとりの男が現れて
市長と ねずみ退治をしたら報酬をもらうという約束を交わす。
不思議な音色の笛で、ねずみを操る男。
最後の一匹まで残らず退治した男に、市長は難癖をつけて約束を破棄してしまう。
約束を守らなかった市長を懲らしめるため
翌日男は、大人達が教会に出掛けている間に今度は笛の音で
街の子どもたちを操って山へと連れ去ってしまう。
「子どもを連れて帰ってくれよう、約束は守るからよう!」と、
慌てて山へとふえふき男を追いかける市長と街の大人たち。。。 という物語。
「正義」とは?「約束」とは、なんたるかを、シンプルに教えてくれるこの物語は
痛いしっぺ返しの教訓と共に、小さかったわたしのこころに大事なことを植え付けてくれた気がする。
「ズルイオトナ」になってはいけない。って、子ども心に思ったもの。
ねずみが川に飛び込むのは憐れで怖いんだけれどねえ。
そして、うっかり操られてしまうようなことが、人生に起きるかもしれないという怖さも・・・。
たくさんの絵本を読み散らかすよりも、
何度も何度も同じ物語を読み返すことって、実はとてもたいせつなことかもしれないね。
「ドレミファブック」は、愛読した子どもたちの人格形成に
大いなる影響を与えてくれたんだなあ・・・と、大人になった今だからこそ思う。
素晴しい音楽と絵と物語のセレクトで、たくさんたいせつなことを教えてくれた世界文化社さんの
「ドレミファブック」に、今更ながら お礼を言いたいくらい。
(定期購読して与えてくれた亡き母にもね。)
もう手元にドレミファブックがなくても、そう感じている同世代の方々って
実はかなりいらっしゃることだろう。もしかして、記憶がおぼろでも、ね。
ココロには きっと沁み込んでいるはず。