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2020年10月中央公論新社発行
本の帯には「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」
滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作 とある。
自分では選びそうにない本を
なにかのきっかけで目にして読む。
最近、そうやってバッタリ本に出会うのも面白いなあと感じている。
男子高校生の語りに始まるこの本も、するするとたいへん読みやすく、気がつくと引き込まれてしまっていた。
しかし。。。
終末へのカウントダウンが始まっていくと…
このところのコロナ感染爆発、終わりの見えてこない戦争、WHOのサル痘への緊急事態宣言、熱波による大火災、太陽フレアの危機のニュースなどなど。。
生温い平和が過去のものとなってしまった今、この本の中の世界の終わりのニンゲンの行動の哀しさがあまりにもリアルに胸に迫ってきて、先を急いで読みながら少々酸欠気味なキモチになってしまった。
普段から小説の中に入り込み易い体質なため、救いようのないストーリーや酷いバイオレンスを含む本は近年もう読まないよう気をつけている。
この本は、根底に温かな優しいものが流れているからそういう類のストーリーではないのだが…。
わたしの近年の読書タイムはほぼ眠る前のふとんの中。
眠る前にこの本を読み終えるのはマズイ、と本能が囁くので最終章は休日の夕方にとっておいた。
果たして。。
読み終えて本を閉じているのに、終わらないこのざわざわとした気持ち。
本の中の終末の話だとわかってはいるのに、何故か何処かで本当に体験してきたことのような。。。
そのまま夕飯の仕度に取り掛かる気持ちにはまるでなれず、暑さの残る日暮れの空を眺めに散歩に出た。
まだここにある平和な夕焼け空を見上げて、やっと肺に新鮮な酸素が入ったような…
やっと現実世界に戻ってホッと安堵したのでありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/01/b99096b1c8168a968f301f4db69234d4.jpg?1658751719)
いやはや、布団の中で読み終えなくてよかった。
きっと眠れなくなり、壮絶な夢にうなされるはめになったことであろう〜。
本能の囁きはたいせつにしよう。