こころに残る木 2010-09-28 | essay 二十代のころに、能登半島を車でぐるりと旅したことがあった。 日本海の厳しい風に吹かれて崖の上に立つ一本の木のその力強い佇まいに 惹きつけられてしばらく見あげていた。 その木の持つ不思議な魅力は、魔力とも言えるほど。 とてもわたしのカメラの中になんか収まりきれない力を感じた。 あれから訪れることもなく、随分経つというのに びゅうびゅうと鳴る海風とともに 時々、わたしのこころに立ち尽くすあの木。 ひと気のない海を背に凛とした姿で立つあの木は 今も、あの場所で風に吹かれているのだろうか。 « 絵本 「エンソくんきしゃにの... | トップ | もう一度観たい映画 »