「とんぼのめがねはみずいろめがね
あ~おいおそらをとんだから と~んだから~~~♪」
久しぶりにドレミファブックのこのページを開いていたら
「虫からはどう見えているんだろう?」って
子どもの頃にとても興味を持ったことがあったのを思い出した。
中学一年生の時に、担任の先生のアパートに
大勢で遊びに押し掛けたことがあった。
わたしはその先生が苦手で
自分から話しかけることなど皆無な生徒だったので
なんとなくみんなについて行っただけだったのだと思う。
ワイワイ先生のレコードを回したり
美人の婚約者との写真をひやかしたり、ひとしきり大騒ぎ。
わたしは本棚に並ぶ本を眺めていた。
さすが理科の先生だなあ・・・と思って眺めていたのをよく覚えている。
難しそうな題名ばかりの本が並ぶ中、
「動物からみた世界」というような題名の本を見つけて
そっと手にとって開いてみた。
そこには、動物や昆虫から見える世界が
写真だったか絵だったか、今となっては定かではないけれど詳細に示されていて、
ニンゲンとはこんなにも見え方が違うんだ!とひどく衝撃を受けた。
トンボの眼は、あの網々ひとつひとつが眼だということを初めて知ったのもその本の中。
そして、犬からみた世界は、ほとんど色がなくぼやけているということも
ひどくショックだった。
自分の愛犬には、わたしはぼんやりとした色合いでしかみえないのか。。。と
なんだか急にけなげに思えてきて・・・。
ほんの数分間読んだだけの本から得た衝撃の事実に翻弄されたわたしは
きっとムズカシイ顔をして本に眼を落していたのだろう。
気づいたらそばにいた先生に、
「こういうの興味があるの?貸してあげようか?」と云われ、
「いえいえいいです!」と慌てて本棚に戻したのだった。
オトナに注目されるのがとても苦手な子だったよなあ、わたし・・・。
と、その場面を克明に思いだして
つくづく、「そうか・・・娘はわたしに似ちゃったのか・・・」 と 今更気づく。
慌てて閉じたあの本、ほんとはもっと読みたかったんだろうね、中学1年生のわたし。
だからこうして鮮明に覚えているのかもしれない。
ドレミファブックの中の「とんぼのめがね」が映し出してくれた想い出の一ページ でした。