庭でおばあちゃんの散髪を。
デイケアの床屋さんと日程が合わないままどんどん伸びて気になっていたところ、おじいちゃんが自分のバリカンで突然おばあちゃんの散髪を始めた。
後ろ髪はバリカンで長めの刈上げに!
そこでバトンタッチ。
トップと前面はわたしがハサミでカット。
なかなかかわいいショートヘアの出来上がりだ。
義母の100%シルバーの髪。
ハサミを入れるとヒカリに溶けて瞬間に消えていくみたいだ。
この小さな庭でよく子どもたちの髪も散髪した。
小さい頃の長男次男はバリカンでいつもわたしがボウズに仕上げていた。
小学校に上がってからボウズはやめたのだったかな。
あれからもう約20年の月日が流れたのね。。
同じこの庭で、すっかり白くなった義母の髪を切る日が来ようとは、あの頃は想像したこともなかったなぁ。
人生はふしぎだ。
昔、常に(良かれと思って)自分の意見をひとにも押し付ける義母と話しをするのが、正直わたしはニガテだった。
止まらない話をいかに巧く切り上げて逃げるか、そればかり考えていたように思う。(ヒドいヨメだな〜)
認知症になってからのこの5年余りで、すっかり柔らかで穏やかなおばあちゃんになった義母。
コップ一杯のお水をベッドに持っていっただけでも「あぁおいしい〜」「ありがとうねぇ ありがとうねぇ」とこころから喜んで感謝してくれる。
このところ、まるで生き仏だねぇと義父と話している。
義母がかわいらしいのは、ヨメとしてはたいへんありがたいことである。
いつからか、「お義母さん」と呼ぶのをやめて「おばあちゃん」に変えた。
そう呼び掛ける方が、自分もやさしくなれることに気付いたから。
保育のシゴトでは園児に小さい紙パンツ、家ではおばあちゃんに大きい紙パンツを履かせながら、ヒトの一生の縮図を見ているような…
いつか来た道、そしてこれからわたしも行く道。
ヒトとヒトの間。
自然に湧く感謝のキモチ。
全てに於いてそれが一番の礎なのかもしれない。
夏のヒカリに透ける義母のきれいな銀髪に
いろいろ気付かされた日曜日の午後でありました。