時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

さみしい青空

2022-08-28 | essay
もうすぐ親友だったアノ子の命日。
一人でお墓参りに行ってきた。
前回、アノ子の娘のKちゃんとお参りに来たのは、昨年の秋も深まる頃のこと。

あれから、彼女は驚くほど大きな選択をして人生が激変。
あっという間にパートナーも生きていく土地も生業も一新。

あっぱれ!と言いたくなるような潔さに、心配はあれど、おばちゃんとしては幸せを祈るのみ。

アノ子の息子もかわいい伴侶を得て、この秋には結婚式だ。

お墓の前でアノ子に話しかける。

「信じられる?ふたりとも結婚だよ〜!この10年であのこたち、すっかり一人前だよ」

わたしが報告しなくたって、空からしっかり見届けてくれてるよね。

この八月で丸11年。。。
昔アノ子に「アタシに何かあったらあのこたち頼むね」と云われた通り、
気持ちの上ではアノ子の遺したふたりの子の母代わりのつもりだけど、具体的にはなにをしてあげられただろう。。。

時々飲みに行ったり話しを聞くだけの年長のトモダチみたいなコトしかしていないかも。
それでもうちの三人の子+あのこたち、わたしは5人の子の母のつもりでいる。気持ちの上ではね。

こんな硬い墓石の下にアノ子が居るとは思わないけれど、お花やアノ子のすきだった甘いお酒を供えてお線香の香りに包まれると…
やっぱりそこにいるみたいに話しかけちゃうよね。

そして、会って話したくなって涙が出ちゃう。
だって、ずっと一緒におばあちゃんになれると思っていたんだもん。

「ずるいよ。アンタだけ46歳のまま。もう10も歳上になっちゃったやんか!」
互いに気軽にグチを言える相手だったから、今でもお墓に向かってグチを言っちゃう。

でもいろいろ話して最後にはいつも
「でも安心して眠って。あのこたちは大丈夫だからね!また来るね」

夏の終わりの青い空を眺めて
ひとりで電車に揺られながら、たくさんの想い出がこころを駆け抜けていく。
今でも不在に胸が苦しくなるけれど、この先いつか必ず逢えると信じてる。

わたしがそっちに行ったらちゃんと出迎えて案内してよね!





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