西陽の空を龍の家族が往く
ようにみえたある日の日暮れ前。
ようにみえたある日の日暮れ前。
雲の行方を見上げてゆっくり歩くのは久しぶりな気がする。
世の中がコロナ禍から日常へと戻り、いつの間にか我知らずわたしもまたせかせかと急ぎ足で生きてしまっているのだろう。
家から出ることもままならず、スーパーへの行き帰りに目にする小さな草花や樹木にあんなにもこころを動かされていた日々…。あのセンシティブな感覚を忘れてしまいたくはないのだけれど。
まるであの数年がなかったかのようなこの頃の世の中の動向に少し違和感を感じてしまう。
歩く歩道に乗りそびれたような感覚とでもいうような。
自分の最適な歩幅を忘れてしまったような…。
あたらしい日が誰にでも平等に訪れるとは限らないのだから、今生きているこの時をしっかり目を開けて見て感じて味わいたい。
二十代の頃、同僚に「君って生きることに貪欲だよね」と言われた台詞を時々ふいに思い出す。
あの頃タップを習ったりバラライカを始めたり、好奇心のあることになんでも首を突っ込む私を見て言ったそのコトバが、褒めていたのか呆れていたのかは今でも定かではない。
それでも、いい得て妙とはこのことだなぁと思ったりする。
確かにわたしは今でも生きることに貪欲だから。笑
何歳になろうと、してみたいコトのリストが増えていくばかり。
(出来てないことだらけ、とも言う)
まぁ、行けるとこまで行ってみるとしよう。てくてくと。