子どもの時、本棚に鎮座していた、
「世界文学全集」&「日本の文学」
本好きの母が毎月(?)取り寄せて揃えていたのを覚えている。
美しい布張りの背表紙に憧れて、大きくなったら
読もうって思っていたのだけれど・・・。
中学生で、アガサ・クリスティに出逢ってしまってからは
本屋で立ち止まる棚は、ハヤカワミステリ文庫と創元推理文庫だけ。
英米ミステリばかりに明け暮れていた。
二十代の頃には、山崎豊子の「大地の子」「二つの祖国」を
読んでからしばらく、学校では教えてくれなかった本当の歴史を知りたくて、
太平洋戦争や東京裁判などに関する本を手当たり次第読んだ時期もあった。
三十代では、宮本輝氏の世界にどっぷり傾倒。輝さんの小説から、
たくさんのたいせつなことを学んだ。
昨年、何故だか突然古典文学の世界に身を置いてみたくなり、
何十年もしまい込んであった、「世界文学全集」と
「日本の文学」を虫干しして本棚に並べてみた。
懐かしい匂い。ずらりと並ぶ昔ながらの布張りの背表紙に
うっとりして、もう読んだ気分になってしまいそう。
改めて題名をながめて見ると、あらすじを知っているばかりに、
読んだ気になっている物語の多いこと!
とりあえず、シェイクスピア、ドフトエフスキー、
ロレンス、モーム、太宰治、堀辰雄、森鴎外などの
名作に浸かってみた。
さすが名作。。。読むほどに深く引き込まれる。
若いころには理解できなかったことも、
年齢を重ねたからこそわかる、ということも多い。
逆に読み時を逸してしまったなあって思う作品もある。
感受性の鋭い十代に読んでいたらもっと感銘をうけたかも…、
って思う作品も多々あるけれど、ま、戻れないし!
そんな時は、なるべくピュアな十代の気持ちを思い出して読んでみる。(!?)
それにしても、名作といえど、昔のひとも今のひともおんなじね。
あれこれ悩んだり、いろんなことに右往左往したり。
ちょっとホッとしたりして。
たくさんの物語が、本棚で黙って媚びずに読まれる時を待っている。
さて、次は誰にいってみようかな~