時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

アオスジアゲハと悔恨

2023-09-16 | essay
美しいアオスジアゲハを見るたび
胸が痛くなる

20年ほど前のこと。
虫好き長男が見つけたイモムシを虫籠に入れていたら、程なくさなぎになり…
あろうことか、そのまま長男もわたしもすっかり忘れてしまった。

暫く後、虫籠を使おうと探し出してみると。。。

そこにはうつくしい羽根を広げたまま命果てたアオスジアゲハの姿があった…

なんと殺生なことをしてしまったのだろう。
さなぎから孵ったまま、野原を翔ぶことも草露を口にすることもできず小さな虫籠の中で彼女は何を想っただろう。

そんな目に遭うなんて彼女にどんな宿命があったというのだろう。
わたしたちに出会わなければ生命を全う出来たはずなのに。
自分の愚かさが情けない。
以来幼虫は決して虫籠に入れない、とふたりで決めた。

その後、あのうつくしいアオスジアゲハの亡き骸を長男は小箱にたいせつにしまっていた。
彼なりに想うところがあったのだろう。

あの特別な宝物は今も何処かにしまい込まれているはず。

蝶はうつくしく儚い。
ひらひらと舞う生命を目で追いながら
げんきでね と今日もココロで呟く。












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