時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

谷中さんぽ

2010-03-15 | 古い建物 のこと

日暮里駅のホームに降り立つと、
以前はそこここに見られた、あのガムテープの文字。

駅の改修も終わり、もう見られないのかな…と
さみしく思っていたら・・・ありました!

       

今や、「修悦体」と命名されているこの字体。
佐藤修悦さんという、あるひとりの駅の警備員さんの
考えだした案内文字なのだ!!スバラシイ!

すごく見易くて可愛らしい字体にたくさんのひとが魅かれて、
メディアでもよく取り上げられているようだ。
日暮里駅でまだ見られて嬉しかったな

おともだちのkさんと久しぶりの谷中へ。
谷中霊園を通って、「ふう~ん。へええ!」と
いろんな碑の説明を読みつつ歩く。
江戸や明治の頃から、この場所にこうして建つ碑やお墓を
前にすると、ちっちゃいことなんかどうでもよくなってきちゃうね。

自分もこの世にいるうちに、自分らしいことを
ちゃんとしておかなくちゃ。

街並みをあちこち見ながら歩き、
kさんのおすすめスポット「大きなヒマラヤ杉」へ。

   

すんごい巨木が小さな昔ながらのパンやさんを
持ちあげてしまいそうなほど、寄り添って立っている。

      

いつからここに立っているのだろうねえ。
すごい存在感。。。
みんなに守られて、今まで生きてきたんだねえ。
そして大昔は、動物たちや小さな生き物を
雨風から守っていたのだろうね。

    
お昼は「谷中ボッサ」というすてきなかわいいカフェで
キッシュランチ。キッシュもヘルシーなおじやみたいなのも
とっても美味しかったなあまた行きたい!
   
      

乃木坂の「ビスケット」という雑貨屋さんが
谷中にもお店をオープンしていて、東欧雑貨のかわいい世界を堪能~。
ドイツ語で読めないんだけれど、なんだか可愛い紙モノに一目ぼれ。
早速、額に入れて飾ってみた。

      

ブランド物のバッグを手にすることとかよりも、
こういうかわいい、レアなイラストを壁にかけるだけで
しあわせになれるわたしって、
つくづくお得なヤツよのう…って自分でも思う。

ひとの価値観ってものは、それぞれ違うけれど、
結局のところ、自分にとって心地よいかどうかってこと。

これからもすきな物、すきな場所、すきなひとに
たくさん出逢いたいな。


映画「扉をたたく人」

2010-03-14 | 映画 のこと

「扉をたたく人」2008年アメリカ映画。

最近、すごくいいって思う映画は大抵主人公がシニア世代。

この映画の主人公も伴侶に先立たれ、
マンネリ化した大学教授の仕事をただこなす毎日。
そんな中、ひょんなことから
シリアとセネガルから来た若いカップルと出逢い・・・

アメリカで、4館だけの上映から、たちまち270館にまで
膨らんだというロングラン映画。

シリア出身のジャンべという太鼓をたたく青年の誠実な人柄や
セネガルの女性の朴訥さ、太鼓の音の魅力…。
関わりを持つうちに、眠っていたような主人公のこころが目覚めてくる。

ストーリーが進むうち、
不法滞在、人種の偏見、さまざまなアメリカの
冷たい現実が浮き彫りにされてゆき・・・。
ほのぼのだけでは終わらない、深い社会派映画。
久しぶりにこころを揺さぶられる映画に出逢ったなあ。


かたっぽのハサミ

2010-03-13 | essay
かたっぽのハサミがうちにある。
半分じゃ用無しのようでも、ペーパーナイフとしては使える。
そして何より、昔々の「トモダチの証」のだいじな宝物。

小学校の頃よく一緒に遊んだ仲間の男の子、
あだ名は「ハンバーグ」

家で遊んでいた時に、壊れてバラバラになった鋏を見つけて、
「カッコイイ!」と惚れ込んだ彼は半分欲しいと言いだした。

実はこの鋏、小学校に上がる時に父から貰ったお祝いの品物だった。
ナイフとセットになっていて、どこだか異国のものらしい。
(今思えば、6歳の娘の入学にナイフとハサミ??とフシギだが。)

そんなわけで、「一生捨てずに大事にするならあげるよ」と言うと
するする!と二つ返事で、「トモダチの証な!」と喜んで半分持って帰った。

それから月日は経ち別々の中学へ上がり、
一緒に遊ぶこともなくなった。
たまにばったり会っても、あのお年頃のせいで
伏し目がちに「お」って挨拶だけになり。。。

彼の家に続いて起きた不幸な出来事の時も
なんにもしてあげられず、内心とても
こころ苦しく思っていた。
「トモダチの証」はどんどん輝きを失くして古ぼけていくだけだった。

高校卒業の三月、わたしの家の引越しが決まり、
ずっと会っていない彼に、引越しを知らせるのは変かな、
知らせないのも変かな、と迷っていたら
数年振りにばったり出逢った。
見上げるほど背が伸びていて、
彼があの愛犬を連れていなかったら分からなかったかもしれない。

小学生の頃、よく一緒に遊んだ大きくて賢いコリー犬。
すっかり、年老いて痩せてしまっていたけれど、
わたしを覚えていてくれたのか、喜んでペロペロなめてくれたっけ。

しばらく立ち話をして別れたのだけれど、
行きかけて、想い出したように
「あのハサミ、まだちゃんと持ってるからなー!」
と彼は高く手を振った。

あれから同窓会もなく、
もう逢うこともなくなってしまったけれど、
ここにこうして半分あるように、
きっと片割れの半分も、彼がまだ引き出しの片隅に
持っていてくれているような・・・そんな気がしているのだ。

物には、それぞれの物語があるものなんだよね 


天使のなみだ

2010-03-12 | essay
どこかで買った、透明なガラス粒。
ビー玉がとろけたようなサイズ。
とてもきれいで、まるで本物の水のしずくにみたいに見える。
長男がまだ小さい頃、遊びにきたともだちたちが
不思議とみんなこれを気に入るので、
「これは天使の涙が固まったものなんだよ。だいじにしてね」と
一粒、二粒とあげていた。
みんな、とっても嬉しそうにたいせつに持ち帰ってくれたものだ。

えへへ。こういうのは「嘘」とは言わないよね??
以来ずっと、うちではこれを「天使のなみだ」と呼んでいる。

      

ちなみに、みずいろのは「人魚のなみだ」
もうあと少ししか残っていないのだけれど、
末の娘は、まだこれを本物の「天使のなみだ」と「人魚のなみだ」だと
信じている。

ゲームの中のバーチャルなファンタジーよりも、
手に乗せられる小さな重みのリアリティー。
冷たい一粒の幻想のしずく。

こんなん、あってもいいと思うのだ~。

わたしのオヤジさん

2010-03-11 | essay
わたしの父は、一言で言えば破天荒な変わり者。

ずっと、わたしたち一家は彼に翻弄されてきたけれど、
自分も年齢を重ね、ひとりの人間として
客観的に見れるようになってからは、
彼の不屈の精神とか、超楽観主義的なところとか、
年齢を感じさせない果敢な向上心とかに
圧倒されながらも、尊敬できるようになってきた。

父のあの強烈な個性は、幼年のころからの彼の波瀾に満ちた、
まるで小説のような人並ならない人生経験によって
培われてきたものだと分かってからはなおのことだ。

数年前には心臓の大手術や癌の手術、
糖尿病など、さまざまな大難関を潜り抜け、
76歳にしてまた新たな事業に乗り出している。

仕事で都内の展示会に行くとのことで
急遽大阪からやってきた父に一年振りに再会。

悪運の強い彼は、年々若返っているんじゃないのか・・・と
思わせるほどの溌剌さで、これならまだまだひと商売しそうだねえ。
あの父なら、悪魔と契約して永遠の命を手に入れたと
聞かされたとしてもちっともフシギじゃない。

弟とオヤジさんと三人で、
久しぶりに昔話に大笑いしながら夜は更けた。

こんなふうに父と笑える夜がくるなんて、
想像もできないほど、絶縁状態の暗たんたる日々もあったけれど、
やっぱり、たったひとりのオヤジさんだものね。

父と母が離婚した後、彼を非難する言葉ばかり
言うわたしに、亡くなった母が
「お母さんとは縁が切れたひとになったけど、アンタには
ず~っとお父さんなんやで。それを忘れたらあかんよ。
いつかは赦したらなね・・・。」
と言っていた言葉を想い出す。

「時間」ってものは、微生物のように
人間のマイナスな感情をうまいこと中和させて
ちゃんと飲み下せるように、いい具合に熟成させてくれる。

お互いが元気なうちに、ちゃんと赦す気持ちになれて
こころからよかったって思うよ。
お母さんもあの世からホッとしてみていることだろうなあ

しあわせな香り

2010-03-10 | essay
どんなに高価なパフュームよりも
こころを豊かにしてくれるこの香り。
世界で一番すきな香り。

沈丁花の花が咲きました。
  
   

うちの庭にはないので、
毎年この花が咲くと、子どもたちの誰かが
公園から拾って帰ってきてくれる。
切ってきちゃだめ、と言ってあるので、
落ちていた花。
何年か前は長男が、「はい、おかあちゃん!」と
ひと枝の沈丁花を持って帰ってきた。
驚くわたしに、「管理人さんの許可をとったから大丈夫だよ!」と笑った。
お隣のマンションの植え込みからひと枝もらってきてくれたのだ。

そういう優しい気持ち、ずっと忘れずにいてね~

映画「Harvey」

2010-03-09 | 映画 のこと

なんだか、古き良き平和な映画が観たくなって
ジェームズ・ステュアートの「Harvey」を借りてきた。
1950年のアメリカ映画。

ジェームズ・ステュアートは、母が好きだった俳優のひとり。
よく一緒にテレビの深夜映画を観たものだ。
彼はヒッチコックの映画で適役をたくさん演じているが、
その中では「めまい」1958年 が最高!
でも、わたしが観たことのある彼の主演作のなかでは、
1939年の名演「スミス都へいく」が何より傑作だ!

この「ハーヴェイ」は初めて観た。
舞台が先にヒットしたのちの映画化だけあって、
テンポが妙に舞台っぽい。
ジェームズ・ステュアートは舞台と映画の両方に出演している。

ちょっと不思議なコメディーで、
彼には、彼にしか見えない190センチの白いウサギ、ハーヴェイと
いうともだちがいる。

彼の妄想かと思えば、まるきりそうでもなく
あたかもそこにいるように見えてくるのが不思議。

終始ドタバタなんだけれど、
やっぱりジェームズ・ステュアート!
彼の演技はピカ一なんだなあ。

毒のない古き良き映画が観たいお方にはお奨めかな?
その時代に生きていたなら、ぜひ舞台で観たかったな~
すごく楽しそう!


モンキーとお爺さん

2010-03-08 | essay
いろんなひとがドアを開けて、
いろんな話をしていってくれる。
個人商店の魅力のひとつ。

ひとりで店番をしていた昼下がり。
腕時計の修理をお持ちになったお爺さん。
ずっと以前、昭和25年にうちで柱時計も購入してくださったという。
背の高いご主人だった、というから夫の祖父のことだ。
ちなみに夫は四代目。
この辺りがまだ砂利道で進駐軍がいたころの話です、と微笑む。
ジョンソン基地から兵隊さんがこの街に遊びに出て来ていたのだという。
いやはや、入間基地をいまだに「ジョンソン基地」と呼ぶのは、
本物の歴史の生き証人だよね。

昔話から、3月10日の東京大空襲で焼け出された話に。。。
家族で手を繋いで逃げまどい、眉毛も鼻毛も火の粉と熱風で
焼け焦げたと、遠い目をするお爺さん。
わたしたちが、テレビや本で見る戦争と違い、
その瞳で、凄まじい戦火を目の当たりにしてきたんだ…。

87歳の小さなお爺さん…。
お帰りになる時に、自転車なのかな?と
ドアの外までお送りしたら、
なんと、HONDAのモンキーバイク!!
ええ~!?このギャップ、カッコイイ
昭和50年くらいからずっと乗っていらっしゃるという!
う~ん、確かにサイズは小柄なお爺さんにぴったり。

突然若々しくキリっとなって、
颯爽とモンキーバイクにまたがってお帰りになった。
粋だあ~
ずっとお元気でいてください!!

ビー玉のなかに住む魔女

2010-03-07 | essay
小学生の頃、宝箱の中にいろんな宝物をしまっていた。

その中に、ひとつの特別なビー玉があった。
濃い藍色のそのビー玉を、ある角度から光に透かして見ると
海の底のようなブルーのなかに
腰の曲がった、杖をついた魔女が見えるのだ。

けれども、どうやらわたしにしか見えないらしく
当時、姉に話して透かして見せてあげても
どうしても見えないと言うのだ。

時々取り出しては、たいせつに眺めていたあのビー玉。。。

いつの頃だったかな、
気づいたら魔女はいなくなってしまっていた。
確かにあのビー玉のはずなのに、
透かしてももう見えない。

こども時代だけの魔法だったのかな。

あの魔女は、ビー玉のキズのただの乱反射だったのか・・・?
はたまた、本物の魔女だったのか・・・?

今となってはもう、確かめる術はないけれど、
わたしの目に映っていたことだけは真実。

今頃は誰かほかの子どものビー玉の中にいるのかもしれないね。

ドレミファブック、学校へ

2010-03-06 | 「ドレミファブック」 のこと

子どもらの通う小学校では、金曜の朝だけボランティアによる
15分間の読みきかせの時間がある。

上の子の時は、下の子の幼稚園バスの時間と重なるので
ちょっと難しかったのだけれど、
末っ子が入学してからは何度かお邪魔している。

娘が、来てほしいとねだるせいもあるけれど、
面白い本を読んだ時の子どもたちの「わあ~!」っていう反応が
結構スキでもあるのだ。
末娘も4月には三年生。低学年の子どもたちを前にするのも
もうわずかなんだなあ。

今年度最後の読みきかせ。
なにか面白いものはないかなあと思いを巡らした末、
今の子どもたちには馴染みのないレコードを
かけてみることにした。

国語で谷川俊太郎の「月火水木金土日のうた」の詩が
音読の課題になっていたので、
丁度うちにあるドレミファブックの中のその歌を
みんなにも聴かせてあげたいなあと思ったわけなのだ。
で、昔ながらの赤いポータブルプレーヤーと
ドレミファブック第5巻を持って学校へ。

レコード盤を見たことのある子は多かったけれど、
目の前でかけて聴くのは初めての子どもがほとんど!
ニコニコクスクス、笑顔の子どもたち。かわいいねえ。

レコードプレーヤーの前は電気を使わない蓄音器だったんだよ、と
ちょうど古本まつりで買った70年代の雑誌の、大正時代特集の中の
蓄音器の写真も見せながら説明。
すると「子どものころ聴いてました~」と担任の先生。
あれ??先生、おいくつ~??

このレコードのB面は「ないたあかおに」のお話。
ちょうど音楽の授業でこのお話が出てくるとのことで、
ちょっと長いけれどみんなで聞いてみようということに。

昔自分が聴いていた頃のように、
お話に合わせてページをめくっていく。
といっても、約10分余のお話に絵は5ページくらい。
日頃、流れる映像に慣れている彼らには
退屈かなあって思ったのだけれど、
みんな、じ~っと静かに耳を傾けて、
絵を見つめてくれていた。

いいものは、時代を経てもこころに伝わるものなんだねえ。

担任の先生が他のクラスにもぜひ聴かせてあげたい、と
おっしゃって、ポータブルプレーヤーとドレミファブックを
そのままお貸しすることに。

いやはや、だいすきなドレミファブックが
時代を超えてお役に立てる日がくるとは!!
嬉しいことだなあ。


くいだおれな一日

2010-03-05 | essay
高校時代のともだち三人でにぎやかにお出かけ。

麻布十番。美味しくておっしゃれな、
なのにこんなにお安くっていいんですか~い?っていう
イタリアン「カフェ・ラ・ボエム」でお昼ごはん。
どこで逢おうが、女同士のおしゃべりは尽きないね。
おいしいものをいただきながら、笑ってしゃべれるって
それだけでもうしあわせだねえ。

ごはんの後は、この日の目的地、万華鏡専門店「昔館」へ。
初めて行った彼女たちは「おー!」「わー!」の連続。
またもやゆっくり見せていただく。

その後はラスクにかりんとう、おせんべいやさん。
すっかり食べ物屋巡りになっちゃった!
美味しいものがてんこ盛りな麻布十番。

前に買った東京ラスクの「ラズベリーショコラスク」の味が
忘れられず、また買っちゃった!
これはとってもオススメ
あの、だいすきなんだけれど、長蛇の列でなかなか買えない、
ガトーフェスタ・ハラダのホワイトチョコがけのと同じくらいおいしい!

ここでわたしは時間切れ~
広尾ゆきの彼女らと別れ帰路に。

帰りに、近所のデパートで開催中の「大阪グルメフェスタ」で
ご近所の大阪っ子kさんおすすめのたこ焼きと
ミルクシューを買って子どものお迎えに。

懐かしい缶入りひやしあめも売っていたなあ。。。
小さい頃、よく大阪の商店の店先でひやしあめを飲んだものだ。
もっかいのぞきに行っちゃおうかな~

彩の国古本まつり

2010-03-04 | 本 のこと

古本市があると、出掛けずにはいられない!
どんな本に出逢えるかな~と毎度ワクワクしてしまう。

いいのん、みっけ!
「ちいさいおうち」の原書「THE LITTLE HOUSE」1969年発行
岩波の絵本より大判で、カバーをチラッとはずしてみると、
濃いブルーの布張りの表紙が!
わたし、布張りや革張りの本にはなぜかとてもよわいのだ~。
すぐ惚れちゃう。

    

    

ヴィンテージのカードをたくさん出しているお店もあって、
にわとりとお日様の絵柄が気に入って一枚だけ購入。

今回は時間がなくて駆け足だったのだけれど、
ほかには、娘がDVDでハマった「てんとう虫の歌」の絵本と、
ずっと読んでみようと思いつつ機会がなかった山本有三集、
息子たち向けのものも数冊。

        

近年、活字離れが進んでいるとよくいわれるけれど、
若いひとが熱心に専門書などを探している姿もよく見かける。
ひとがじっくり本を探す姿って…、すきだなあ。
圧倒的にご年配のおじさまが多いのだけれどねっ。

こんなに、一度にたくさんの古本の間を練り歩ける機会は
そうそうない。(短時間じゃ見きれないくらいっ!)

所沢駅東口くすのきホールにて。
今回は3月8日まで開催中  


ちゃこのおばちゃんとお雛さん

2010-03-03 | essay
三つ子の魂百まで。

三歳までひとつ屋根の下で暮らした母の姉、
「ちゃこのおばちゃん」。
彼女からたくさんの愛情をもらって育った。

暮らす場所が変わっても、わたしが8歳のときに彼女が亡くなるまで
ちゃこのおばちゃんと過ごすひと時は何よりもすきな時間だった。

子宝に恵まれなかった彼女は、
少女のままのこころを持つひとで
人形やぬいぐるみをとてもたいせつにしていた。

彼女は、ひな祭りの季節になると、
タンスの引き出しを階段のように引き出して、
赤い絹の薄い布をかけ、大きな雛段を作り上げていた。

そこに、お雛さんはもちろん、バービーやキューピー、
ぬいぐるみをところ狭しと並べて、ひなあられを供える。

小さかったわたしには、背丈より大きなその雛段は
触れることもできない聖域のように神々しく、光り輝いて見えたものだ。

今でもこのひな祭りの季節になると、
彼女の、世界でひとつの雛飾りがわたしのこころの奥に
あの鮮やかな赤い色とともに甦ってくるのだ。

ちゃこのおばちゃんのバービーちゃんにもひなあられをお供えしようっと

たったひとつ

2010-03-02 | essay
ぽっかりと浮かんでるたったひとつの地球。

大きな自然災害が起きると、
みんな同じ一つの船に乗っているんだってことに
改めて気づかされる。
当たり前なことなのに、普段は忘れてしまっている。

どの国に起こる自然災害も他人事ではなく、
同じ船の中で起きていること。
自然を前にしては、人間も蟻んこも同じ。

いつだったか、夕暮れの高層ビルの展望台から
ぎっしりと建物のひしめく東京の街を見降ろしたときに、
ふいに人間の驕りの怖ろしさを感じたことがあった。
いつか予測もできない大きな何かの力が働いて、
この人間が作り上げた街を
そっくり全部大きな足で踏みつぶしてしまう日がきても
ちっともおかしくないよなあ。。。って、
珍しくひどく厭世的な気持ちに襲われた。

蟻んこがいつも人間に知らずに踏みつけられているように
人間にもいつか大きなつけが回ってきそうな気がするよ。
このままじゃ。

争いや戦いは今すぐ止めにして、
ひとつしかないみんなで乗っているこの船を
長持ちさせることにひとりひとりの力を注がなくちゃいけないよね。

ちっちゃいことでも、自分にもできることから
始めてみようって気持ちがたいせつだ。

悲しいなみだの数が減りますように。

手づくり雑貨マーケット

2010-03-01 | essay
ものづくり仲間三人で「手づくり雑貨マーケット」に参加してみた。
いつもは独自にONE DAY SHOPを開いているので、
大きい会場に参加するのは初めて!

80ブースもの大きなイベントなので
すごい人出にびっくり。
通路が人であふれて、ここ満員電車の中??ってくらいの人混み!
酸欠になりそうで度々入口まで空気を吸いに行ったくらい。

売上額はともかく(!)、いろんな面で勉強になった。
他のひとのさまざまな作品をみるのもとてもいい刺激になるし
たいせつなこと。

淡い色合いが素敵な、ニット小物が得意なkumamiさんの作品と
ご自宅で洋裁教室をしているRocoさんの完璧な美しさの作品と
ご一緒させてもらっているおかげで、
すてきにまとまっていたのではないかなあと自画自賛

次回は五月恒例の春の収穫祭だなあ。
自画自賛ばかりで満足していないで、
日進月歩、努力とヒラメキで良い作品を生み出していきたいな
がんばろ。

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