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日本人で初めて?-教皇自らの手で司祭に叙階-
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今回は、ローマ教皇ヴベネディクト16世が新しい司祭を叙階した時の話です。
400年前のキリシタン時代を含めて、日本人が聖ペトロ大聖堂で直接教皇自身の手で 教区司祭 に叙階されたのは、私の知る限りこれが初めてのことではないかと思います。
去る6月20日(日)、バチカンの聖ペトロ大聖堂において、教皇ベネチクト16世自らの手で14人の新しい司祭が生まれました。
その内訳は、「レデンプトーリスマーテル神学院」 から7人、
ローマ教区の由緒ある 「コレジオロマーノ」 から4人、「コレジオカプラニカ」 から2人、その他1人。
15年ほど前から、毎年司祭を生み出してきた高松の神学校からの司祭叙階が、ここ5年ばかりぱったりと止まっていましたが、教皇様はその神学校を瞳のように大切に助け上げ、そっとローマに移し植え、「日本のためのレデンプトーリスマーテル神学院」と名付けられました。上の7人のうち二人が「日本のための・・・」からです。
昨年の助祭叙階に続いて、今年ついに田中裕人助祭とイタリア人のサムエレ助祭が日本での宣教のために司祭に叙階されました。ようやく淀んでいた川が再び流れ始めた感があります。ローマ教皇が、聖ペトロ大聖堂で日本人の教区司祭を直接自らの手で叙階したのは、これが初めてではないかと思います。
見てください、叙階前、助祭のストらを肩から斜めにかけた裕人君の嬉しそうな顔。
神学生生活15年は、諸般の事情のためにとは言え、正常なケースのほぼ2倍の時間です。しかし、これで最後の5年をひたすらじっと我慢して待った甲斐があったというものです。
司祭叙階を受ける助祭たちの後から聖ペトロ大聖堂の祭壇に向けて中央通路を行く ベネディクト16世。
いよいよ叙階式の始まり。
諸聖人の連祷が歌われる中、床にひれ伏す助祭たち。
一度世俗に死んで、聖職に生涯を捧げて生きるために立ち上がることを意味する感動的な瞬間。
教皇から、そして共同司式する司祭団から、次々と按手を受ける新司祭たち。
司祭叙階の秘跡の中心的な印と言われます。
両手に聖香油を塗られて聖別され、司祭の着る祭服をまとって、
一人前の司祭として祭壇から辞する生まれたばかりの田中神父。
日本から祝いに駆けつけた80人余りの信者さんたちに挨拶する嬉しそうな顔。
その後から、満足げに退場する 教皇ベネディクト16世。
司祭叙階式の警護を終えて退場するスイス衛兵の一団。
この制服は兜も槍も巨匠ミケランジェロのデザインによる。
(結構モダンンな感じがしませんか?)
式後のパーティーは旧アッピア街道沿いのレストランで。
満面笑みがこぼれる田中裕人とサムエレの両新司祭。
《終わり》