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復活祭の聖週間 聖木曜日(2)
2014年4月17日の場合
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私は同じ題で2012年にも写真の多いブログを書いた。
復活祭の日曜日の前の木曜日の晩には、イエス・キリストの「最後の晩餐」の席で
キリストが弟子たちの足を洗った話に因んで、信者たちの足を司祭が洗う式をする。
アジア、日本と違って、ローマはヨーロッパの生活習慣の世界だから、キス、接吻は日常の風習の中に溶け込んでいる。
夫婦や親子でなくても、普通の友達が出会ったとき、別れる時、
頬と頬をくっつけて口でチュッと音をたてて挨拶をするのは当たり前。
私も、オジサン、オバサン、お姉さんの足を丁寧に洗って、タオルで拭いて、仕上げに足の甲に唇をつけてチュッとキスをして、
ハイ、一丁上がり!となる。
実は、人の頬であろうが、足の甲であろうが、人肌に唇をつけて接吻する時の感触にはあまり変わりはない。
これを立て続けに30人、35人とやるのは結構大変な仕事てある。
この写真は2年前の洗足式の風景。この日私はカメラを一人の信者に預けて撮ってもらったが、
今年は式にカメラを持っていくこと自体ををコロッと忘れたので写真がない。
洗足式なるものがどんなふうに始まってどう展開するかの風景は、以下をクリックして前回のブログを見ればよくわかる。
http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=8faa515ca0313476c45f57ddd413b84d&p=18&disp=10
洗足式は毎年の聖木曜日風景だが、今年も同じことを書いたのではあまり芸がない。
趣向を変えてみることにしよう。
実はローマの聖木曜日で一番大きな公式行事としては、聖ペトロ大聖堂での教皇による聖香油ミサと言うのがある。
このミサには、ローマ教区の全司祭たちが集まり、年に一度ローマ教区長・司教である教皇フランシスコに対して、
従順の誓いを新たにし、司祭の叙階式や、病人の塗油のために用いられる聖香油を祝別する特別なミサが行われる。
聖ペトロ大聖堂の今年の聖香油教皇ミサ風景
私はこの3月90歳を迎えた平山司教様の付き人として、神学校に残ったので、そのミサには参列しなかったが、
ミサで教皇の補佐として共同司式したローマ教区長代理のヴァリーニ枢機卿以下4-5名の補佐司教達が、
みんなそろって昼食のために、無人の我が神学校に押し寄せてくることになっていた。
実は、このローマのレデンプトーリスマーテル神学院は、4月11日から復活祭休暇に入っていて、
平山司教と私の二人の年老いた日本人の他、誰一人住んでいないのだ。
しかし、この日は朝から、コックさんと給仕や皿洗いをするために狩り集められた神学生らが忙しく働いて、
久しぶりに活気を取り戻した。
メインテーブルにお客様の補佐司教達の間におさまった日本人2人。
挨拶に立つヴァリーニ枢機卿。彼は来るたびにどんどん我々と親密になっていく感じがする。
レデンプトーリスマーテル神学院お馴染みの楽師たち
スペインのマリア様の歌に合わせて オーレ-!!オーレ-、オレ、オレ、オレ-!!オレ、オレ、オレ、オレ、オレ-!!
と掛け声をかけながら、全員がナフキンを頭上でクルクルと回す。
左側は通称パクちゃん。韓国人で今助祭。右側はフィレンツェ出身のダビデ助祭。
2人とも元高松のレデンプトーリスマーテル神学院でスタートを切った。この5月11日(日)に、
聖ペトロ大聖堂で晴れて教皇フランシスコから叙階第1号の司祭として誕生する。
叙階後は、ローマ教区に帰属しながら、日本の事情が許し次第、宣教師として日本に派遣されることがすでに決まっている。
日本語はもちろん検定2級を日本でクリアしてペラペラ。
圧倒的な司祭不足の日本で、一体いつまで今の異常な閉塞状態が続くのか。ローマの有識者は理解に苦しんでいる。
因みに、5月11日の教皇による叙階式では、レデンプトーリスマーテル神学院関係が7人。
あと4人がローマの他の神学院からで合計で11人。その内二人が日本への宣教師。
ここにはっきりと時の印が現れている。
日本の一般信者がこの現実に目を開くべき時が来ているのではないだろうか。
ヴァリーニ枢機卿のこの姿も、我々の神学院ではすでに見慣れた光景となった。
ご機嫌で挨拶に立つヴァリーニ枢機卿
教皇フランシスコに代ってローマ教区を統治する枢機卿には、ふさわしい貫録が備わっている。
11人の司祭叙階候補者の助祭たちが、この24日(木)の朝、
聖アンナの教皇のアパートのチャペルでの教皇ミサに招かれ、謁見を受けることを発表する、
ヴァリーニ枢機卿。
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私は、その夜自分の共同体で、また30人余りの足を洗い、その足の甲に接吻した。
大任を終えた後、すがすがしい気分を味わったが、74歳の齢には勝てない、
背中と腰がかなりやられた。はたして、あと何年これを続けられることか ・・・
2年前の洗足式風景はこちらから入れます。
http://blog.goo.ne.jp/john-1939/e/8faa515ca0313476c45f57ddd413b84d
(終わり)
司祭不足が理由で小教区教会が閉鎖され、土地建物が二束三文で売り払われるなんて話を聴いて悲しくなりました。血のにじむような思いで土地を取得し教会を建てた先人の、宣教者たちの努力が空しくされています。
将来再び買い戻そうとしても、もう不可能でしょう。
閉めること、縮小することばかり考えないで、若い熱意に満ちた宣教司祭をローマから迎えて、体勢を立て直すという方向に発想法を転換することは出来ないものでしょうか。
閉鎖されようとしている教会の信者たちが、署名活動をして、司教様に閉鎖を思いとどまり、司祭を招聘するよう請願するような動きは生まれないものでしょうか。
信徒が下から立ち上がるべき時が来ているのではないでしょうか。
K.Y.
御復活おめでとうございます。
この枢機卿さまのお顔は聖なる雰囲気が非常に感じられます。