普段何気なく使っているカレンダーですが、この暦が決まるまでには先人達の苦労がありました。地球は365日の自転で太陽の周りを廻っているわけではなく、365日とプラスアルファの時間が掛っています。そのプラスアルファをどのように処理するかで、暦の正確さが決まってきます。これは、地球が太陽の周りを廻っているという事実を我々が知っているからできることであって、このような仕組みを知らなかった先人達は、季節の周期と自分達の暦のつじつま合わせに大変苦労していました。暦は人間の生活にとっては無くてはならないものですから、国によって違う暦を使っていると不便で仕方が無いし、モノの取引も上手く行かないでしょう。統一された暦は、経済活動にも必要不可欠なツールなのです。
この本では、暦がどのように作られてきたかという歴史を紹介しています。読んでみると、歴史の勉強で年号を暗記することにどれほどの意味があるのか判らなくなってしまいます。そもそも初期の西暦は結構いい加減な暦なのですから、西暦を知らない日本のご先祖様にとっては、自分達の歴史を西洋のものさしを使って測られるのは不本意かもしれません。