無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

婚約者の友人

2017-12-26 | 2017外国語映画評


「婚約者の友人」 フランソワ オゾン監督 仏独 ☓

 1919年、フランスとの戦争が終わったばかりのドイツを舞台に、戦死した婚約者フランツを巡ってアンナ(パウラ ベーア)とフランスからはるばる訪ねてきたフランス人の友人アドリアン(ピエール ニネ)のミステリアスなドラマです。
 婚約者の両親と娘のように暮らすアンナは墓地でフランス人の青年と出会います。彼は婚約者のフランツがパリに留学していた頃の友人だと名乗ります。元敵国の男にはじめは父親などは露骨に嫌な顔をしますが、アドリアンが音楽家であることや息子のことを心から大切に思っていたことなどを聴くうちにすっかり打ち解けます。アンナも戦争で生き残った男との結婚の話もありましたが、教養もありハンサムなアドリアンにひかれていくのでした。
 しかし、真相は全く違っていたのです。アドリアンはある罪の意識に苛まれ許しを請うためにドイツに来ていたのです。一方、アンナも真実を知った後は両親を騙し続けることに罪の意識を持つのでした。フランツとアドリアンの関係は一体何だったのでしょうか。
 青春を消耗品にしてしまう戦争の愚かさを、白黒とカラーの巧みな使い分けや自然の景色、ルーブル美術館のアートなどを織り交ぜながら美しくも残酷に描き出しました。世界が戦争モードになっていく中、映画監督としても黙ってはいられないという静かな意志を感じさせる内容です。原題は「フランツ」ですが、邦題がちょっと甘すぎてもったいないです。
 タバコは、周囲で喫煙していましたが、回数が多いので(☓)です。


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女神の見えざる手

2017-12-26 | 2017外国語映画評


「女神の見えざる手」 ジョン マッデン監督 仏米 ☓ ☆

 「敵の一歩先を読む」手法で勝ち抜いてきた天才的ロビイストの社会悪を正すための奮闘を描いた社会派サスペンスドラマです。
 エリザベス スローン(ジェシカ チェスティン)は大手ロビー会社のトップロビイストです。しかし、銃規制法案を巡って会社と対立し、クビになります。そこに現れたのは小さなロビー会社のシュミット(マーク ストロング)でそちらは銃規制に賛成する活動をしていました。「ある条件」を示されスローンは銃規制賛成のロビー活動を積極的に始めます。スローンのやり方は敵側だけでなく仲間まで騙したり利用したりすることで銃規制法に賛成する議員が増えていきます。一方、銃規制に反対している元いた大手会社はスローンの個人的なスキャンダルをさらけ出そうと躍起になるのでした。果たしてスローンは勝てるのでしょうか。
 ほとんど眠らず、満足な食事もせず、ピンホールのハイヒールで闊歩して、仲間まで利用して勝ちに行くスローンですが、ここまである意味での自己犠牲をして仕事をすることの本当の目的が最後までわかりません。ある意味では新しい女性ヒーローの姿かもしれません。
 サスペンスとしては最後の最後まで読めない展開が面白いです。社会派ということも評価できます。(☆)
 タバコは、スローンの交渉相手のひとりで「フェミニスト活動」をしている女性団体のトップがなんとタバコを吸いながら接していました。(☓)日本でもエコ活動をしている喫煙者とか反原発の集会で喫煙する人とかいますが、社会全体の変化も勉強してほしいものです。

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