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「プロミシング・ヤング・ウーマン」 PG12 エメラルド フェネル監督 △ ☆
監督自身のオリジナル脚本で米アカデミー賞脚本賞受賞しました。
キャシーは両親の家からコーヒーショップに働きにでかけ平凡な日々を過ごしていますが、夜になると男を挑発するようなドレスに着替えバーへ繰り出しへべれけに酔っていました。そんな彼女を調子に乗った男が近づき「お持ち帰り」をしたら・・・。
キャシーの店に学生時代の同級生ライアン(ボー バーナム)が現れ、優秀な医学生(将来を約束された若い女性)だったキャシーがあるときから学校を止め所在不明になったことがわかります。小児科医となったライアンとは両親に紹介するような関係に発展します。実はキャシーは学生時代の親友ニーナがパーティーで泥酔し学友アル(クリス ローウェル)にレイプされるという事件があり、その時に「悪いのは泥酔したニーナ」という対応を周囲がとったことに対し、復讐をしていたのです。その復讐対象の女性からある動画を見せられたのでした。
男たちの女性差別語から始まり、男たちによる女性への性的で暴力的な言動が随所に描かれます。小柄で金髪なキャシーはそんな男たちの絶好の対象となりますが・・・。1から始まる復讐劇は5まで続きます。ネタバレ厳禁なのでこれ以上は書けませんが、暴力的な復讐よりも心理的に追い詰める復讐の方が怖かったです。過去にアルのような「黒歴史」がある男たちはきっと怖くて最後まで見ることができないのでは。そして最も見てほしいのは復讐される女性たちと同じような言動を現在進行形でとっている女性たちにも己の醜さを客観視するためにもぜひおすすめです。「しゃべりつくそう!私たちの新フェミニズム」(望月衣塑子著 梨の木舎)によれば伊藤詩織さんの事件に対し「わきまえた女性」の時代遅れの反応が登場していました。こちらの本もおすすめします。
ただ、個人的にはこのラストは悔しい!(ネタバレ厳禁なのでこれ以上提案もできないことも悔しい!)
タバコは、キャシーの復讐の対象となる加害者の弁護をした弁護士が喫煙者でしたが、悪役なので△です。