
「瞳は静かに」 ブスタマンテ監督 アルゼンチン ×× ☆☆
1977年軍事政権下のアルゼンチンが舞台です。8歳のアンドレスは母親の突然の死で、兄とともに祖母と父親と暮らし始めます。大人たちは母親の遺品をなぜか焼いて処分してしまいます。「大人の話に口を出すな」と叱られますが、アンドレスは大人たちを静かに観察し会話を盗みききし、何が起こっているのかを探ろうとするのでした。ある夜アンドレスは窓から恐ろしい光景を目にするのでした。
静かで穏やかな街にも軍事政権の秘密拠点があり市民を見張っていた当時の寒々とした光景が大人たちの静かな目の動きなどから察することができます。アンドレスを演じた子役が映画初出演とは思えない演技を見せます。祖母や父親役も名演技です。アメリカ以外の海外の作品は選りすぐりが多くハズレがないですね。
タバコは77年ということもあり怪しげな男たちが喫煙したり、病院内でも喫煙していました。また、子供にタバコを買いに行かせる場面もありましたが、今では考えられないことですね。子供がほしがるからとライターを誕生日のプレゼントにあげるのもありえませんが、実はこのライターが重要な小道具となります。ということで秀作ですがタバコ的にはちょっと問題有りの作品です。