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8、「マイウェイ 12000キロの真実」 カン=ジェギュ監督 韓 □
1928年日本が占領していたソウルで日本人の辰雄と朝鮮人使用人の息子ジュンシクは出会います。ふたりはともに走ることが大好きでした。夢はオリンピックに出ること。しかし、爆破事件が起きて辰雄はジュンシクに憎しみを持ってしまいます。そして二人が出会ったのは戦場でした。皇国軍の冷酷な上官となった辰雄(オダギリジョー)は強制的に日本軍の兵士となったジュンシク(チャン=ドンゴン)と再会をします。ノモンハンでのソ連軍との死闘の末ふたりは捕虜となり、その後ソ連軍兵士として戦います。しかし今度はドイツ軍との戦い結局敗れてドイツ軍兵士となりノルマンディーにたどり着くのでした。ふたりは子どもの頃の夢だったオリンピックのマラソン選手として出場することはできるのでしょうか。
韓国映画史上最高の25億円が投じられ、240日の撮影と7000人のスタッフがかかわったというスケールの大きい作品です。特に戦闘シーンがものすごいです。ここまでやらなくてもいいのではないかという気もします。
タバコは兵士が一服しているとバンと撃たれてしまう、という場面がありました。時代的にはもっと喫煙率は高かったと思いますが、タバコがなくてもまったく問題はありませんでした。タバコだけ時代を反映させてモクモクで中身はどうでもいいようなドラマを制作しているどこかの国の皆さんにはこの作品を観て反省していただきたいものです。
また、辰雄は日本軍の上官の時は退却を許さず逃げようとする兵士を射殺していましたが、同じことをソ連軍の上官がする姿を見て深く反省をし生き方を変えます。つまり、「人間は変わる」ということを監督は表現したかったのだと思います。喫煙者や禁煙運動を誹謗中傷する輩もいつか「変わる」可能性があると信じてかかわっていきたいものです。