無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

エンディングノート

2012-02-13 | 2015以前の映画評


「エンディングノート」 砂田麻美監督 ○

 仕事人間だった父親が67歳でやっと退職したのもつかのま検診でがんが見つかります。それも進行が早くすでに手術はできない状態でした。そこで彼はエンディングノートを作成します。やらなければならないことや家族に伝えたいこと、そして自分の葬式のことまで段取りをするのでした。娘である監督はその一部始終をカメラに収めていたのです。
 「ございます」調のちょっとコミカルなナレーションと軽快な音楽のおかげで「死」を取り上げているにしては大変楽しい作品です。昔の写真やフィルムを効果的に用いて無理なく家族の歴史が表現されています。充実した最後の日々はうらやましいくらいです。
 タバコは過去の写真に写っていたような気もしますが、無煙でした。

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この愛のために撃て

2012-02-13 | 2015以前の映画評


「この愛のために撃て」 フレッド=カヴァイエ監督 仏 ××××
 
 サミュエルは妻の出産を控えた普通の看護助手でしたが、あるとき重傷を負った男が搬送されたことがきっかけになり身重の妻を人質にとらえられ大きな事件に巻き込まれます。重傷を負った男とともに妻を救うべく闘いますが、いつのまにかサミュエルは男とともに殺人犯として指名手配されます。それには警察内部の腐敗がからんでいるのでした。はたして妻を無事に救い出すことはできるのでしょうか。
 いきなり逃げる男を追う場面から始まり、誰が敵で誰が味方かよくわからず、最後まで息をつかせない展開です。普通の男が愛する妻のために奮闘する姿は観客の心も動かします。しかし、警察とやくざとの癒着はフランスでも同じなんですね。
 タバコは主役のサミュエルが看護助手という仕事であるにもかかわらず喫煙者(×)、事件を追う女性刑事が喫煙(×)、別の悪者の女性刑事は禁煙の職場でそのうえ妊婦に煙を吹きかける場面もあります(××)。フランスの警察も困ったものです。

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フェア・ゲーム

2012-02-12 | 2015以前の映画評


「フェア・ゲーム」 ダグ=リーマン監督 米 ×!

 9・11以降イラクを「悪の枢軸」と決めつけていたブッシュ政権は大量破壊兵器の存在を理由に2003年3月イラク攻撃を開始します。しかし、実はCIAのヴァレリー=プレイムは自身の潜入捜査と、夫の元ニジェール大使のジョーが国務省からの依頼で調査をした結果、大量破壊兵器の存在を疑う報告をしていました。ヴァレリーの報告を打ち消したい政権はヴァレリーが諜報部員であることをマスコミに流し夫妻は社会から攻撃を受けます。ホワイトハウスを相手にふたりの戦いが始まるのでした。
 今では世界中が知っている「大量破壊兵器はなかった」という真実を隠蔽し個人を抹殺しようとしたブッシュ政権のスキャンダルの映画化です。10年もしないうちに映画で暴かれということでいろいろ問題はあるアメリカですが、良心的な国民もたくさんいることがうかがえます。
 タバコは夫のジョー(ショーン=ペン)が葉巻を数回吸います。友人同士の食事の場面で「外で吸って」とたしなめられ、あれこれ反論しますが結局は吸うのをやめる場面もあります。

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ペントハウス

2012-02-12 | 2015以前の映画評


「ペントハウス」 ブレット=ラトナー監督 米 ○

 セレブ御用達のマンション「タワー」の最上階ペントハウスには投資で稼いだ金持ちのじいさんが住んでいます。スタッフをまとめるマネージャーのジョシュは住人の要求にはそつなく応じる優れものです。仕事は順調でしたが、金持ちのじいさんは実は詐欺師でFBIに逮捕されてしまいます。スタッフの年金も3倍にしてやるといってだまし取っていて、それもパーになってしまいました。ジョシュは2000万ドル以上の現金がペントハウスのどこかに隠されているという情報を得て、取り返すべく作戦を立てるのでした。
 娯楽作品ですが、アメリカの人種の多様性を生かしたキャストと気が利いたセリフ回しの脚本がよくできていて楽しくアメリカの一面を知ることができます。
 タバコは「葉巻」という言葉はでてきますが、無煙です。アメリカ映画界もスモークフリーにはできてもタバコフリーにはなかなかなれません。

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ALWAYS 三丁目の夕日 64

2012-02-09 | 2015以前の映画評


「ALWAYS 三丁目の夕日 64」 山崎貴監督 ××××× PP ハイライトほか

 シリーズ3作目で、1964年の東京オリンピックの時代です。鈴木オートを中心に作家の茶川(吉岡秀隆)一家の出産や旅立ち、六ちゃん(堀北真希)の恋と結婚などの出来事が繰り広げられます。山崎監督の昭和再現技も3作目になると新鮮さも薄れてきました。ストーリー的にもこれがラストでしょうね。個人的にはこの作品での堤真一は好みなんですけど。
 タバコ的には大問題で、さっそく「汚れた灰皿賞」確定です。吉岡秀隆、堤真一という主役級がたびたび喫煙し、なんと医者役の森山未来まで喫煙、確かに当時は医者も喫煙していたかもしれませんが、無償医療をしているような医者とタバコは合わないです。また、水商売の女性たちも喫煙していました。本物の新生児を吉岡が抱きあげるシーンがありましたが、残留タバコ煙にさらされて大変かわいそうでした。乳幼児突然死を監督はご存じないらしいですが恐ろしいことです。
 PPとしては堤が近所のタバコ屋でハイライトを買う場面があり、64年のオリンピック記念タバコのポスターは何度も何度も登場していました。
  (沖縄・シネマQにて)

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麒麟の翼

2012-02-09 | 2015以前の映画評


「麒麟の翼」 土井裕泰監督 □ 

 東野圭吾原作のミステリーです。日本橋にある翼のある麒麟像のそばで腹部を刺された男が倒れていました。すぐに容疑者が警官に発見されますが、逃げる途中交通事故にあい意識不明となってしまいます。被害者の青柳武明(中井貴一)は金属会社の部長で容疑者は半年前にその会社の工場を解雇されていました。その線で片付けようとする上層部に対し、刑事の加賀(阿部寛)と松宮(溝端淳平)は青柳が刺された現場から助けも求めずに麒麟像まで8分間も歩いてきたことに何か理由があるはずだと聞き込みを続けます。すると、青柳はなぜか日本橋周辺の神社などに週末になると現れているのでした。真犯人はだれなのでしょう。
 麒麟像をシンボルにし、父親と息子の関係や派遣労働者の労災問題をからめながらも無理のない展開となりました。水天宮など日本橋周辺のロケも興味深いです。
 タバコは容疑者の同棲相手が務めている惣菜屋のオヤジが「ちょっと話がある」といって店の裏に呼び出したときにタバコを吸おうと手にしますがもてあそぶだけで口にはしませんでした。吸わなかったのは評価できますが、喫煙者が作る惣菜は食べたくないですね。そのほかは工場の応接室に灰皿がありました。実害がないので□としました。
 

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J・エドガー

2012-02-02 | 2015以前の映画評


「J・エドガー」 クリント=イーストウッド監督 米 ×

 アメリカFBIの長官として君臨していたジョン=エドガー=フーバーの半生を描いています。70歳を過ぎたエドガー(レオナルド=ディカプリオ 特殊メイクがすごい)は自らの半生記を本にするためのインタビューを受けています。画面は1919年共産主義者を弾圧していたころに時代は変わります。若いエドガーが登場し、生涯の秘書となる女性や片腕となるクライドと出会います。ところどころで、母親との深いかかわりも紹介されます。次の事件はリンドバーグ誘拐事件でした。そこで、エドガーは今では当たり前になっている科学捜査を導入し犯人を捜し出します。というように時間は過去と70年代を交互にエドガーを描きます。ディカプリオの老人メイクがちょっと老けすぎているのが笑えますが、コンプレックスの強い男が母親の助言と励ましで変わっていく様子を熱演しています。
 タバコは母親(ジュディ=ディンチ)が「神経が磨り減らないようにタバコを吸いなさい。」と喫煙を勧めるセリフがあり、言葉通りエドガー(ディカプリオ)が列車内で一度喫煙します。興味深いのはエドガーが科学捜査室を強引に創設したのは「喫煙室」として使われていた部屋でした。1920年代に分煙していたんですね。
  

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劇場版 テンペスト 3D

2012-02-02 | 2015以前の映画評


「劇場版 テンペスト 3D」  吉村芳之 □

 幕末の琉球を舞台にした壮大な歴史ドラマです。NHKが連続ドラマとして製作したものを2時間ちょっとにまとめ3Dにしました。池上永一の原作からは大きくはしょってはいますが原作のイメージ通りの映像でした。女が教育を受けることもできず、ましてや役人になることなど考えられなかった時代に男となって試験を受け城にあがり、聞得大君(きこえおおきみ)の策略にはまって島流しにあい、やっと首里に戻れば女として王の側室となり王子を生むという孫寧温(そんねいおん)こと真鶴の波乱の人生をうまくまとめました。
 過去、琉球は大陸と島津藩の間で独立国としての地位を保っていましたが、日本国による併合ののち対戦を経てアメリカの支配下となり、そしてまた復帰後も民意が生かされない状態が続いています。寧温が夢見た琉球はどこへ向かおうとしているのでしょうか。
 タバコは聞得大君(高岡早紀)が城を追われ遊女になったときにキセルを持ちますが実際には吸っていないようでした。
  

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木漏れ日の家で

2012-02-01 | 2015以前の映画評


「木漏れ日の家で」 ドロタケ=ンジェジャフスカ監督 ポーランド ○ ☆

 ワルシャワ郊外の古臭い屋敷には91歳のアニエラが愛犬フィラと住んでいました。楽しみは近所の様子を双眼鏡で観察すること。隣には成金が住み、アニエラの屋敷を譲ってくれと持ちかけてきます。別の隣は子供のための音楽クラブで狭い場所のためか外で楽器の練習をしていてにぎやかなうえにときどきいたずら小僧が彼女の敷地に入り込みブランコで遊んだりしていました。そのブランコはかつて一人息子が遊んでいたものでした。かわいかった息子も今はメタボで孫娘も食べることしか興味のないメタボでした。それだけでなく息子はアニエラに内緒で屋敷を隣家に売ることを考えたり孫娘はアニエラの指輪がほしいとねだるのでした。余生が長くないと感じたアニエラは思い切った行動に出るのでした。
 91歳の現役舞台女優ダヌタ=シャフラフスカの年齢を感じさせない演技と犬のフィラの名演技が作品を成功させました。アニエラの爽快な決断は感動的です。年をとっても彼女のようにしゃきっと生きていきたいものです。
 タバコはセリフに「タバコ臭いわね。」「職場に吸うやつがいるんだ。」「(自分が吸ってるくせに)」というアニエラと息子の会話、また、こそどろにはいった少年とのやり取りでお金をせびる少年に対し「どうせタバコとビールを買うんでしょ。」と追い払いますが、ポーランドでも貧困層の子供の喫煙は多いのでしょうか。実際にはセリフだけで無煙です。
 

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