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「おかあさんの木」 磯村一路監督 ☓
大川悦生原作の現代民話の映画化です。
100年ほど前の長野県が舞台です。ミツ(鈴木京香)は初恋の郵便配達員と幸せな結婚生活を送り7人の男子に恵まれました。しかし、夫は早くに急死し、ミツは農家の収入で子どもたちを育てていました。戦争が始まり、息子たちは次々と「お国のため」出征していきます。ミツはそのたびに一本の桐の苗木を植え無事で帰ることを祈るのですが、届くのは戦死の知らせでした。戦後70年、東映の静かな反戦映画です。
鈴木京香が戦死者を出す「誉の母」と、五郎が出征する時に駅で「行くな」とすがり警察に捕らえられても頑として謝らない「非国民の母」を演じました。複雑な心境を懸命に演じていて代表作の一つになるのでしょうが、クワの扱いはもう少し本気で鍛えて欲しかったです。関連して、役者は必死で演じていますが、脇に植えられている畑の作物が半分しなびちゃっていたのがとても残念でした。
タバコは、大変残念なことに何故か産婆役の松金よね子が一郎を取り出したあと、「ちょっとタバコ頂戴。」とタバコを吸っていました。当時、産婆の女性が喫煙出来たのかちょっと疑問です。けっこうアップでしっかりタバコに火をつける場面を映しました。(☓)その他はミツを取り調べていた警官がタバコをもみ消す場面はありましたが喫煙せず、軍隊の場面でも灰皿はあっても喫煙せず、出征する車内に少し煙があった程度で直接的なタバコの場面はなかったので、よねちゃんだけが妙に目立ちました。