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「劇場版 きのう何食べた?」 中江和仁監督 ○ 東宝
よしながふみの人気漫画でドラマとしても好評の作品を実写映画化しました。
雇われ弁護士の筧史朗(西島秀俊)と美容師の矢吹健二(内野聖陽)は二人で食べる夕食を大切に生活しています。史朗から誕生日に京都旅行をプレゼントされた賢二でしたがあまりに豪華で幸せすぎて「これは何か隠し事がある?」と勝手に詮索しあれこれ妄想します。一件落着後今度は賢二が隠れて病院へ行ったりするので史朗がハラハラさせられます。その上友達のゲイカップルからも相談を受けたり、そんなこんながあれこれ起きつつもいつもおいしい料理を食べ幸せなのですが・・・。
見どころは内野聖陽の演技です。ちょっとやりすぎ感もありますが、いつものイメージをひっくり返す名演技です。
内容的には、両親との考え方の相違は厳しいものがあり、子どもが期待できないことへの心の負担なども描かれ、夢物語にしなかったところが現実的で好感を持てます。
「売り」になっている料理ですが、撮影(柴崎幸三)が巧みで料理番組顔負けの見事な映像です。特にハーゲンダッツアイスクリーム(バニラ 筆者も好き)を溶かさずに撮影していましたが、どんな裏ワザを使ったのか興味のあるところです。
ただ、調味料にこだわりがなく、上白糖を山程使うのは今どき筆者の周囲には誰もいません。醤油や味醂などもペット入りのもので化学物質たっぷりって感じでした。料理番組じゃないからまあいいけれど。次回作があるならそのあたりにも気を使ってほしいです。
タバコは、なし。無煙です。