古代世界の超技術 (ブルーバックス) | |
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講談社 |
今月からまた、ガス主任技術者試験の講師をやる。もう三年目になる。基礎理論科目で最初に出てくるのは、ボイル・シャルルの法則。気体の体積は、温度に比例し、圧力に反比例するというもの。初学者はどうもこの辺でつまずくらしい。なるべく簡単に理解してもらうため、グラフを書いたり、ガス管の気密試験にたとえたりして工夫をしている。
先日読んだ書籍に、面白い話が載っていた。「古代世界の超技術」という書籍で、古代世界のいろいろな技術が紹介されている。ピラミッドや古代ギリシアの蒸気機関、古代ローマの建築などだ。その中に、「神殿の自動扉」というのがあった。発明者は、ギリシアのヘロンである。
ヘロンといえば、数学のヘロンの公式のヘロンである。ヘロンの公式とは、三辺の長さがわかっているとき、三角形の面積を求める公式を作った人が。もちろん古代ギリシア時代の人だ。
神殿に観音開きの扉を設置し、かがり火を炊くと、扉が開く仕組みを作った。原理は、かがり火を炊くと、その空気室の温度が上がって、圧力が高くなる。その圧力が、密閉された水槽に行き、圧力で水槽の水かこぼれ、その水が錘とのバランスで、扉に巻きつけられたロープを動かし、トルクが働いで、扉が開くというものだ。絵を挿入できればよくわかるが、著作権があるらしく、ここに貼れない。こちらをご覧いただければよくわかる。三晃システムという会社のホームページである。
この原理はズバリ、ボイル・シャルルの法則である。温度が上がれば、圧力も上がる。ボイルさんやシャルルさんは、古代ギリシアの1,800年ほど後の人である。11,800年も前にわかっているとは。古代ギリシアはすごい。
この話、受験講座のどこかで、ボイル・シャルルのたとえ話として、脱線しても話したいねえ・・