資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

2千年しても完全な建物~ローマンコンクリート

2014年06月04日 | 土木施工管理技士資格とその活用
古代世界の超技術 (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社


 古代世界の超技術、からもう一話。2千年経過しても、完全な建物が世界に存在する。古代ローマ時代に作られたパンテオンである。私も以前、訪問したことがある。当時はそんなものか、という感想だったが。今は違う。2千年して、完全な姿で残っている高さ40メートル以上の神殿など、ほかにはないのである。ピラミッドなど積み上げただけのものはあるが、大きなホールなどはない。

 私は、最近、土木施工管理技士の研修講師を始めた。土木は「土と木」と書くが、実際は「土とコンクリート」の学問である。その中のコンクリート、現在、コンクリートの寿命は数十年~百年、と言われているが、このパンテオンは、2千年で、しかも今も完全な形だ。

 なんという、奇跡だろう。コンクリートは、セメントと、水、骨材、混和剤を練って固めるのだが、この混和剤に、古代ローマは特別なものを使っていたようだ。「ポッツオラーナ」というベスビオ火山の火山灰だ。これがある化学反応を起こして、長期強度が伸びるそうだ。このコンクリートを「ローマンコンクリート」というそうだ。またこれに似た材料が使えないかが、次世代のコンクリートとして研究されている。

 もう一つ、現在の大きな建物は、鉄筋コンクリート製である。コンクリートは圧縮に強いが、引張に弱い。鉄はその逆だ。両者の長所を使ってできたのが鉄筋コンクリートであるが。古代ローマ時代は、鉄筋なんてものはない。無筋コンクリートだ。なぜそれで、2千年持つのか。どうやらアーチがその秘密のようだ。アーチは、大きな空間を作ることが出来、応力は、下部に圧縮の力がかかる。

 この話も土木施工管理技士の講座で、話したいネタである。(写真は、ウイキペディア パンテオン2014年4月3日より)
    
 
コメント
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