資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

秀吉の経営戦略を診断士風に言うと

2014年06月29日 | 中小企業診断士資格とその活用
新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


 司馬遼太郎さんをふと読みたくなった。司馬遼太郎さんの太閤記を読む。主人公秀吉の戦略・戦術は、従来の大名の戦略・戦術とはかなり違っていて面白い。そこで、中小企業診断士風にこの戦力・戦術の違いを解説してみたい。

 中小企業診断士の二次試験レベル、つまり実際の企業診断のレベルになると、診断のフレームワークを学習する。診断のフローチャート、道筋である。初めに経営者の気持ちを聞き、全体戦略を描く。モノによっては、この全体戦略は、マーケティング戦略と重なることもある。次に個別の戦略、すなわち、財務戦略、人事戦略、技術戦略、情報戦略などを全体戦略と整合を取って決めていく。最後は各戦略に基づく、個別の戦術になる。実際の中小企業の診断はこのような手順になる。

 秀吉の思いは、信長の思いを引き継ぐ、「天下布賦」である。これは日本を統一することになるから、経営者の思いを受けての全体戦略は、国内を秀吉の配下に置くという全体戦略といことであろう。ここまでは誰でも思いつく。

 問題は次の段階である。信長秀吉以外の大名は、戦略があまりない。槍や刀を鉄砲に置き換えるのは技術革新を行う技術戦略だ。そして戦いにおけるその使い方は、各戦術になる。この辺は各大名なども使っている。また調略も時々使うが、なんといっても、武士は「武勇」が一番と思っている。技術戦略の中からは出ていない。

 ところが、秀吉になると戦略が俄然増える。城下を楽市楽座にして商人を儲けさせ、税金を増やす、これは集客をするマーケティング戦略である。

 お金をばらまき、農民に城や堤防を作らせる。墨俣城や小田原攻めの土木工事、水攻めなど、お金で普請という公共事業をやる財務戦略だ。

 調略は最も得意とするところ。岐阜城は調略だけで落とした。調略とは、人事戦略と情報戦略のミックスである。

 このように、秀吉は、マーケティング、財務、人事、情報、そして技術と各戦略を全体戦略に絡めて自在に使い、経営革新を行い、天下を我が物にしたのである。企業経営との共通点が見えて来ないかな・・

 この戦略を使いこなす時に活躍したのが、黒田官兵衛である。次は、官兵衛を読もう。
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