書店で手に取って、勢いで買った本だ。読みやすく一気に読んでしまった。北アルプスの山小屋で10年以上働いた女性のエッセイである。
私も、山小屋はよくお世話になる。山小屋の従業員さんの印象で、その小屋の印象は決まってしまう。山小屋では支配人とはほとんど会わない、従業員の方と接触するのだ。
書いてあることは、心当たりのあろことが多い。チヤホヤされる歩荷、山小屋のお風呂、山の荒天、小屋締め、マウンテンでマウントを取る人。人間関係は運任せなど。
その中で一つ気になったエッセイがある。「山の事故で亡くなった方を責めないでほしい。」だ。山の事故は多い、特に高齢者だ。そして、ヤフコメでは、メチャクチャに叩かれる。いい年して、山なんか登るな、迷惑かけるな、など。私は山の記事をよく読むせいか、最近特に目立つ。と言うか、たいした怪我でもないが、yahooに入れると、よってたかって、コメントで叩くのが楽しいようにも感じるほどだ。
ところがこの筆者の感想では、事故が起きた原因は、山を舐めていた人より、真面目な登山者の方が多いそうだ。そして、実際に救助している県警や遭対協の方より、ニュースを見ただけの一般人の方が厳しいそうだ。うん、そんな感じ。
そして、事故で亡くなった方を責めないでほしい、起きた事故を教訓にすること、山の安全を啓発することは有意義、しかし、それは、亡くなった方を責めななくともできる。なるほど、深いな。