kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体最終日~脅威的な可能性~

2016-06-01 | 陸上競技
県総体最終日。この日うちは200mのみ。それも1人だけです。(笑)今回出場するSは中学時代にかなりの実績があります。私が過去指導してきた選手で一番早かった選手は「26秒9」でした。この子は高校2年生で25秒9に入り3年生で25秒2までいきました。が、Sは中学時代にすでに「26秒24」で走っています。笑えないレベルで速い。

支部大会で26秒91で走り選手権で27秒08。冬に練習が積めていない選手ですからこの時期にこれだけ走れるというのはすごいことだと思っています。今回は26秒中盤まで出して中国狙いだなと私は考えていました。潜在能力は極めて高い。まだ磨かれていないですから、今後のことを考えながら「中国を経験する」事が出来れば良いなと。

レース前に目標を聞いてみました。それぞれのラウンドをどう走っていくか。「予選は27秒04」「準決勝は26秒2」「決勝は25秒台」との返答。準決勝の時点で既に自己ベスト更新を掲げていました。

県総体の1週間前位から明らかにスピードレベルが上がっていました。何度も「チームとして」「リレーで戦う」という話をしてきましたが、そこの部分の意識が入学当初と比べると飛躍的に上がっているなと感じていました。前任校で「小さなエース」と似ている感じがあります。色々と(笑)。細かいところはもう少し人間関係が出来てから書きたいなと思いますが、「極度の負けず嫌い」というのだけは確かです。

予選は向風3.1の中で26秒79。強い。リレーの予選からの走りを見ていましたがカーブの走りがかなりスムーズになっていました。本当に速いなと感じていました。実際のレースでも同様ですね。ここの区間で上手くスピードに乗せられるようになっている。その勢いのまま準決勝は26秒26。自己ベストが26秒24ですから予告通りベスト更新するレベルの走りをしていました。

決勝はアウトレーン。身長が高いですからインレーンよりはアウトレーンの方が走りやすいのは間違いない。レースは絶好の追い風に乗って前半からよく走れていました。直線に入った時に第二集団の中にいます。そこから減速することなく最後まで走りきりました。中学時代にレースを何度か見ていましたがバタて動かなくなっていました。それが無くなっていました。結果は25秒90でした。

え?本当に25秒台?!1年生です。とにかく強いなというのが印象ですね。中学時代の実績があるとはいえほとんど練習ができていません。まだやらないといけないことが沢山あります。それなのにこのレベル。驚くしかないですね。「出来過ぎ」と言われるかもしれませんが、実際問題本当に強いのだけは間違いないと思いますね。脅威的な可能性を感じます。磨き続けたらどこまで強くなるのか?技術的にも体力的にも心の部分も含めて全てで伸び代があります。これはうちに来てくれている選手全員に言えることですが。まだほとんど出来ていないのにこのレベルで競技ができるというのは脅威を感じます。本当に強い。

1年生が結果を残したので「さすがですね」と言われることがあります。いや、私の力はほとんど関係ないと思っています。実際は選手の力がすごいのです。短期間で一気に伸びてきたからといって私の指導が「特効薬」のようにすぐに効いてくると思われると困ります。私のスタンスは時間かけてしっかりと競技力を上げていくことです。短期間での結果は求めていません。

中国時代に活躍したり高校1年生の春に活躍してその後競技が上手くいかなかった選手を大勢見てきています。なかなかしんどい部分です。1年生の春に中国大会に進んだとしても高校3年生で戦えないという状況は辛い。そうならないように長い視点で選手を育てていきたいと思っています。それが譲れないスタンス。短絡的に何かをやって終わるというのは絶対に避けたいですから。

少人数で参加した県総体でしたが女子は「総合8位」となりました。1年生にフルエントリーさせたらもう少し得点が取れたかもしれません。前にも書きましたが「総合優勝」を目指すつもりはありません。結果的に「総合8位」になっただけです。無理をして得点を稼ぐ事に意味は感じません。結果は勝手についてくると思っていますから。とはいえ「総合8位」の症状をもらったので短距離を支えてくれている3年生マネージャーに代表して取りに行ってもらいました。良い経験だと思います。

とりあえず競技に関しては書けたかなというところです。ここからがスタートだと思っています。
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県総体2日目~女子100mと相変わらずのkaneko~

2016-06-01 | 陸上競技
少し女子の活躍も書いておきます。

女子100mに1年生のNが出場。前年度の県中学1位の選手です。まだまだやることが多すぎて選手としての「伸び代」はすごいなと思っています。内に秘める強さがある選手ですね。クールに思われますが実はそうでもない部分もある。まーこれは指導するからわかることだと思いますが。

4継のレースが終わって直後に100m予選。このパターンは大変です。今の時点ではそれほど体力はありませんから短時間で回復するというのはできません。毎回書いていますが100mを走るからといって体力は不要とは思いません。今の指導は「リレー」と「100m」を兼ねることができるかという視点の中で組み立てています。100mの決勝だけ走ればいいという感覚ではない。これはなかなか分かってもらえないと思いますが。

ショートスプリントで必要なのは「高いスピードを繰り返す体力」だと思っています。4継のアップの時点ですでにかなり走っています。朝の段階で1次アップをする。その時にかなり走ります。そこから少しおいて今度は決勝に備えてのスピード刺激。レースを走ってから次は100mに向けての準備。予選、準決勝、決勝と勝ち上がっていくことを考えるとそれぞれ動きますから「体力」は必要です。だからといって「3000mを走ればいい」というのは違うのではないかと思っています。私は・・・という前提が付きますが。

長い距離をたくさん走って体力をつけよう。大切なことかもしれません。これは「練習をするための体力をつけよう」という意味合いが強いのではないかと思っています。私は「スプリントをするための体力」をつけることを考えています。練習では「それなりのスピード」で走っていて試合の時にだけ「最大スピードを出す」というのは違うのではないかと。

こういう意味でも今のうちの選手は「不十分」だと思います。1年生が入ってきて「走り込み」をした記憶はありません。選手がこのblogを見ていたら「この人は何を言っているのか?」と突っ込まれるかもしれませんが。しかし、本当にそう思っています。今の練習はまだまだ。やりたいことが十分できていません。ある程度の「強い気持ち」がなければ強度の強い練習をさせても「やるだけ」になってしまうからです。

今やっていることが本当に強くなるために必要なのかどうかを選手自身が感じられないといけないと思います。前任校でそれなりに「結果」を出していたとはいえ今の学校で何も出していないではないかと揶揄される部分もあると思っています。選手も「こんな練習をしていて本当に強くなるのか」と思うかもしれません。ある程度必要なのは「結果」かもしれません。それがあるかないか。「きついけどやれば強くなる」と思えばできるようになると思っています。

かなり話がそれました(笑)。

リレー決勝が終わってから今度は100m。女子に関してはリレーが終わるまで個人種目に関しては一切触れませんでした。触れる余裕がなかったというのもあります。「個人種目優先」と考える選手はいませんがやはり目の前の種目に集中させたいと思っていました。男子は前日のレースが終わった後に「100mで力を出し切る」話をしました。時と場合によって使い分ける必要があると思っています。

Nと歩きながら少し話しました。総体の目標についてです。この部分は「勝ち上がっていくうえで必要になる考え方」だと思っています。予選で終わる選手もいれば決勝まで考える選手もいる。私はどちらの選手も「流れ」が重要だと思っています。強いからといって予選は最初から流すという選手はどこかで失敗すると思っています。Nには予選からしっかりと走って「流れ」を作るように話しました。もともとスタートが苦手です。そこの部分を改善するためにもレースの流れを作っていく必要があるからです。

予選は12秒7台。準決勝と決勝は12秒6を切りたいという話で目標設定をしていました。条件的には雨が降り始めてなかなか難しいコンディションでしたが、この状況で記録がどうなるかだと思っていました。予選はスタート練習をせずに臨む。時間的に厳しかったのでそこまでの余裕はありませんでした。予定通り12秒77(-0.7)です。一応シーズンベスト。条件の悪い中でそれなりに走れています。

準決勝前にはサブトラックでスタート練習をしてから。雨が降っていましたが数本確認しておきました。準決勝のスタート練習でこけかけるのでどうなるのか?!と心配でしたがそんなことはお構いなし、12秒74(-0.1)で組のトップ通過。決勝はかなりの雨でしたが中盤からスピードが上がり12秒70(0.0)で3位入賞しました。

記録的には目標には届きませんでした。が、「強さ」を感じる部分はありましたね。この悪条件の中、1年生で1人だけ決勝に残る。動じることがありません。ある意味「強い」と思います。本来であればこの舞台にMも立てていたのではないかと思います。「たられば」に話になるので言いませんが・・・。これからできることがたくさんあると思います。それだけの「伸び代」がある。「もともと強いから」と言われるかも知れません。確かに。それでも今の取り組む姿はかなりのものです。近くで見ているからこそ感じる部分もあります。これは本当に強いなと。

本当はこういうところに「おとぼけ日記」を書くと面白いのでしょうが本人たちが嫌がりますから書きません(笑)。周囲から見られる姿と実際のギャップは本当に大きい。うちの選手の特徴かもしれませんね。

私は100m終了後、マイルの大会運営に専念。本当に疲労します(笑)。自分のチームが出ていてもゆっくり観戦することはできません。仕方ないのですが。その疲労感、尋常ではない。かなり疲れました。

レースが終わって慌てて選手を帰宅させました。翌日にレースがある選手もいますから。私自身もバタバタ。選手を帰宅させてから様々な人と話す。ここに関しては「面白ネタ」としてゆっくり書こうと思っていたのですが明らかに記事が長くなりすぎているのでこれは別の機会に。我ながら多くの人に迷惑をかけて生きています。情けない。

感じることが多い1日でした。男子の「想い」を感じることができました。本当に良い選手たちです。どこに出しても恥ずかしくないなと感じる。誇らしいですね。

また書きます。
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県総体2日目~100mと気持ちの入ったマイル~

2016-06-01 | 陸上競技
続きです。

リレーが終わってすぐに100mが始まります。県総体ではハードな日程が続きます。ショートスプリンターはほれほど本数を重ねた練習をしなくて良いと思われるかもしれません。私はしっかりとやるべきだと思っています。この事はまたどこかで書きたいなと思いますが。9割のスピードでの練習をしていてもショートスプリンターは育たないと思います。

男子100mにはうちから唯一スプリント種目に出場しました。3年生のキャプテンです。1年前からチーム全体を引っ張ってくれていました。他の地区と比べて県総体に勝ち上がるのはなかなか厳しい部分があります。その中で出場権を得てくれました。私の指導スタイルとして身体作りを優先していますから結果を出すためにはそれなりの時間が必要になります。1年で結果を出す事は目指していません。長い目で見てやっていきたい。が、今の3年生は1年間しかありませんでした。細かい部分が不足してしまう。その中で一生懸命に取り組んでくれました。うちの代表として総体に進んでくれた。意味のあることだと思っています。

レースは前半の飛び出しから中盤までは良い位置でした。が、課題となるそこからの動きが出来ず置いていかれてしまいました。11秒68で予選落ちとなりました。これは私の指導力不足だと思います。きちんと走りを組み立てることができなかったからです。股関節の動きを改善できなかったのは私の工夫不足。本当はもっと出来ることがあったと思います。この選手がいてくれたおかげでチーム作りが進んだのは間違いない事実です。

そのまま男子の事を書いておきます。この日の最後に男子のマイルがありました。1週間前に1年生エースが飛び出してきた自転車を避けて転倒。そこから全く練習が出来なかったので出場するかどうかを悩んでいました。様々なことを考えた結果、出場の方向へ。1走と2走は1年生、3走は長距離、4走は3年生としました。3年生で県総体に出場出来るかどうかというのは大きなことだと思っています。が、簡単な話ではない。

1走の1年生、支部大会以降は3年生に練習を引っ張ってもらっていました。この選手を強くすることが出来るかどうかはチームとして大きなことだと思っています。引っ張ってくれていた3年生とは走力差があります。少し前から出て逃げる。とにかくそれを繰り返してくれました。県総体には出場出来ませんが後輩を強くするために役割を果たしてくれていました。また、今回アンカーを任せた3年生、後輩の面倒をよく見てくれていました。スピードが高いわけではありませんが少しずつ力をつけていました。3年生だから走らせるのではなく、マイルに出るならこの選手をアンカーに配置するのがベストだと判断しました。

レースは1走がかなり良い位置で運んできてくれました。この時点でトップ。2走は一度もロングスプリントの練習をしていません。それでも何とかなるだろうと投入。よく粘ってくれました。3走の長距離選手も良い位置を保ってアンカーへ。アンカーは前半から積極的な走ってくれました。後ろから来た選手に抜かれてしまいましたが最後の最後のフィニッシュで1人抜いて順位を上げました。気持ちの入った良い走りだったと思います。準決勝進出の可能性を残してレースを終えました。

ロングスプリントの練習はほぼやっていません。ほぼというか全くやっていないに等しい。それでも選手はよく頑張ってくれました。こんなに力を発揮してくれるというのはありがたいことです。それぞれが様々な想いをもって走ってくれる。その姿をチームのみんなに見せたいという気持ちがありました。それが最後の最後で見えました。右手をいっぱい突き出してほんの少しでも早くフィニッシュする。倒れこみながらのフィニッシュでした。

集団応援をしていた選手たちは大型モニターに注目していました。表示されるとプラスの所にはチーム名は表示されませんでした。プラス6までが準決勝進出のところをプラスの7番目でした。4継に引き続きあと一歩でラウンドを進めませんでした。あと1チーム。ここは本当に大きなことだと思っています。これまで指導してきましたが男子に関しては「あと一歩」で届かないことが多い。全く届かないのではなく本当に「あと一歩」なのです。私自身がその殻を破らないといけないんだろうなと感じています。私に足りないものがあるから男子が「あと一歩」が届かない。

男子のリレー、今できることは最大限にやってくれたと思います。しかし、どちらもあと一歩届かなかった。ここをどう感じるか。3年生は後輩たちに大きな「宿題」を残してくれたのだと思います。来年は絶対にリレーで中国に行く。そのために何をしなければいけないか、です。何かを変えていかなければいけないと思います。

昨年1年間、勝負の蚊帳の外でやっていた。が、今年は少しですが「勝負」できたと思っています。それだけのことはやってこれている。大きな成長がある。だからこそもっと結果にこだわる部分が必要になってくるのではないかと考えています。「よく頑張ったね」だけで終わらせたくない。これだけ努力をしてるのだからそれに見合うだけの結果を出せるようにしなければいけない。これは私自身に突きつけられたものだと思います。

0.1秒の積み重ねが大きな差になる。0.01秒でも速くなることを考えてやっていかなければ。毎日の練習で何をするかだと思います。一生懸命やれば良いというのではなく「何のためにやるか」だと思います。ここができて初めて意味が出てくる。そのベースは3年生の男子達が作ってくれたと思います。素直で一生懸命に取り組める選手達ですから。彼らの「想い」を形に変えていけれれば良いなと思います。良いレースを見せてもらいました。

また書きます。
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