kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

耐乳酸性のことを

2023-07-24 | 陸上競技

なかなか更新する時間がありません。あれこれやっています。

 

先々週は「スピード」を強化するための練習をメインに据えていました。限られた時間の中でどうするか。バランスよくやっていくことも必要だと思います。が、中国大会以後はテスト期間や特別国体選考会などもあってまとまった練習ができませんでした。ここは本当にもったいない。余力があって戦える状況ではないので「強化」をしなければいけない。が、できない。難しいところです。

 

で、スピード重視の練習を1週間くらいやてから今度は「スピード持続」のための練習をすることに。ここも記録しておきたいと思いながらあれこれやっていたら時間だけが過ぎていっていました。真面目に三者面談をやっています。インターハイに行くまでの時間を有効に使っての面談。練習と面談と打ち合わせ。これはなかなかだと思います。時間の余裕がないなかで全てをやっていく必要があります。タフさが欲しい。

 

先週の頭から「専門練習」と「耐乳酸性」のトレーニングを入れています。「耐乳酸性」を上げるためには「テンポ走」のような感じでのんびり走るというのは効果はないと思っています。そもそも、乳酸の生成のシステムを考えれば当然の話だと思っています。少し前に「ATP-CP系」のエネルギー供給形態の話を書きました。これは10秒程度という感じです。それ以後は「解糖系」と言われる「グリコーゲン」を分解してエネルギーを供給します。30秒程度かなと。これも諸説あるのですが分かりやすく書いておくとそんな感じです。筋肉の中にある「グルコース」を分解してATPを作り出します。これは急激にエネルギーが必要になった時に使われる部分です。中程度以下では「有酸素系」のエネルギー供給形態が使われるので「高負荷」で「30秒程度」エネルギーを使う場合に使用される。

 

この時、酸素の供給は間に合いません。簡単にいうと「無理矢理エネルギーを作り出す」という感じです。効率的にエネルギーを作り出す「有酸素系」では酸素を使って長時間運動ができます。全力で動くことを40秒程度続けようと思ったら間違いなく「解糖系」の供給が行われる。その時に「無理矢理」なのでその借金みたいなものが生まれてきます。これが「乳酸」です。大きなエネルギーを使わなければ「乳酸」は生まれません。「乳酸」が蓄積するということは大きな力を出せたという証拠になります。が、「乳酸」が蓄積すると筋肉の収縮が阻害されます。無理やりやっているので「副産物」が生じるのです。それにより身体が動かなくなる。無理してますからね。

 

「大きなエネルギーが欲しい」部分と「乳酸が蓄積して筋肉の収縮ができない」という部分。相反していますがやるしかないと思います。「有酸素系」が優れている選手は「乳酸が蓄積しにくい」というのがあります。これはATといわれる「乳酸性閾値」が関係しています。最大酸素摂取量の70%(うろ覚え)を越える運動負荷になると乳酸が蓄積し始めるというものです。有酸素能力が高ければ当然ATが上昇しますから乳酸は蓄積しにくい。長距離の中ではこの考え方が一般的だと思っています。私の中では(笑)。

 

「乳酸」が生じないようにすることは当然大事なことだと思います。しかし、その手の練習をしていたら「爆発的に力を出す」ということができなくなると思っています。「練習量」に頼る練習であれば「有酸素能力」は上がるかもしれません。最大スピードで何本も走れるわけではないですから質を落として本数を重ねることになります。が、それでは本当に「乳酸」を生み出すための練習にはなりません。「無理矢理身体を動かす」ことで初めて「解糖系」が動員されて「乳酸」が出てくるのですから。「ミドルパワー」の強化ではなく「ハイパワー」の強化が必要です。そうなると「高い運動負荷」を加えていくことが求められる。

 

女子はたいてい「爆発的に力を出す」ことが苦手です。筋肉量の関係もあると思います。しかし、実際のレースでは「1本勝負」のところがある。3本目に強い選手がいたとしても「最初の1本」で力が出せなければ「予選落ち」になってしまいます。ここ最近書いている内容はここに繋がってくるのですが。まー本当に分かりにくいと思います。どうすれば「爆発的に力を出す」ことができるようになるか。以前はよく「グルグル150」をやっていました。休息時間が60秒くらいで「全力で150m」を走る。どうしてもスピードレベルが落ちてくるので後半は「有酸素系」の練習になっていた可能性があります。「ミドル」パワーなので乳酸が爆発的に蓄積することは少ない。そうなると「狙い」とは異なる部分の強化になってしまう。

 

tokushoの後半部分は「150m」をリレー形式でやるようにしていました。休憩が3~5分。これも大学院の時に人体実験(被検者:kaneko)で150mをSDから5本全力でやった時に乳酸がめちゃくちゃ蓄積して「ケツ割れ」が酷かった。当時は「血中乳酸濃度」を自分で調べてやっていました。「5分後」くらいが「血中乳酸濃度」が一番高くなるというのがデータとしてあったので。今は変わっているかもしれませんが。「乳酸」自体は筋肉中に蓄積します。それがしばらくすると「血液中」ににじみ出てくる。その濃度が高くなるのが「5分」くらいだと。つまり、「乳酸」が筋肉中にたまりまくっていた部分から「5分後」くらいには血中に出ているので「筋肉」は少し回復しているのだと認識しています(笑)。だから「Rest=5分」という設定。「感覚的にこれくらいかな」というのもありますが、一応「データ」として「5分」くらいが提示されているのでそれくらいがいいなと。

 

こうなると「1本目にどれだけ力が出せるか」が重要になります。出し切れないと単純に「走っただけ」になります。ミドルパワーでの「テンポ走」とかよりも「最大スピード」を出し切れるギリギリの距離を設定するほうが良いのかなと考えています。運動時間が「解糖系」のエネルギー供給時間が「30秒程度」となっていますが、「30秒」ギリギリまでエネルギーを使ってしまうと次の1本が走れない。そして女子はその30秒が長すぎる。気持ちが保てないなと思っています。この辺りも「感覚的」な部分と「科学的」な部分のすり合わせなのかなと。「ミドルパワーしか出せない」という選手であれば本数を増やしていく必要もあると思います。しかし、勝負することを考えると「ハイパワー」をどれだけ出し続けられるかは重要だと思います。

 

「気持ち」を作っていく必要がある。「なんとなく走る」というのでは「乳酸」は生成されません。爆発的な力を出して初めて乳酸が蓄積する。ここは「乳酸耐性」とは少し違うのかもしれませんが。まずは「乳酸を出す」ことができる能力を磨く必要がある。これは間違いなくロングスプリントだけではなくショートスプリントにも生きてきます。前から書いている「練習の地域差」も影響していると思います。なぜ、他地区は1本勝負で戦えるのか。それに見合うだけの「練習パターン」が必要になると思っています。ミドルパワーで戦えるほど全国は甘くない。そうであれば「ハイパワー」への対応が必要になると思います。

 

分かりにくいですね。かなり簡単に書いているつもりですが混乱が生じる可能性大(笑)。もう少し書いておきたいので記事を替えておきます。

コメント
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