そんな私のここだけの話 バガテルop162&鎌倉ちょっと不思議な物語第272回
毎年1月の末か2月の頭には近所の原っぱでカエルが産卵するので、その環境を整えてやることにしている。といっても大したことではない。スコップで水たまりのごみや落ち葉や泥を掻きだし、清らかな水がある程度以上にたまるようにしておいてやるのである。
もし私がこのささやかな作業を怠れば、カエルは産卵できないし、仮に出来てもすぐに死滅してしまうだろう。
先日の晴れた日の午後、もしやと思ってその場所を見に行くと、なんと3ヶ所でゲル状の卵が産みつけられていた。昔はこの同じ場所でたくさんの巨大なヒキガエルが真っ昼間からゲコゲコと声を上げて盛大に交尾してハイキング客を驚かせたものだが、数年前から姿を見せなくなり、いま産卵しているのは小型のアカガエルだ。
私がいちばん大事にしている小さな湧水のある泉には、おりしも雌のアカガエルの上に雄が乗っかって戯れており、その傍にひと固まりの卵があった。ねばねばした白く半透明の薄皮の中には小さな黒点があるが、これが次第に大きくなっておたまじゃくしになるのである。
そのおたまがまたどんどん成長してカエルになるのは初夏の頃だが、それまでなんとか無事に育ってほしいものである。
おたまじゃくしはカエルの子私の孫でもあるわいな 蝶人
◎「佐々木健展」は2月23日まで開催中。明日午後5時から「絵とか建築の話」(仮)トークあり。http://twitpic.com/c18o04