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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.582
広大な麦畑の中の高台に1軒だけ建っている地主の館。そこに住んでいる大金持ちの青年と貧しいルンペンプロレタリアートのリチャード・ギアとその恋人(妹と偽っている)のとの悲劇的な三角関係を描いているが、ともかくその舞台となった大自然の描写が限りなく美しい。
風になびく黄金いろの麦の穂、草原を疾走するバイソンの群れ、馬、鳥、イナゴの大群、火事、月に照らされて蒼く輝く夜の城館を、物語とは関係なくいつまでも眺めていたくなる。情感あふれる自然光撮影の素晴らしさよ!
娘に惚れた地主は余命いくばくもないと知りながら、彼女とギアと彼の幼い妹を屋敷に迎え入れ、彼女と結婚することによって「天国の日々」が始まるのだが、その仕合わせは(もちろん)長くは続かなかった。
それにしてもこの映画の興行成績が悪くてUA映画がこけたと言われているようだが、後続の「地獄の黙示録」と違ってそれほど製作費は掛っていないのではないだろうか?
謎だ。
大木家より歩道に落ちる栗の実を素早く拾う散歩者多し 蝶人