音楽千夜一夜 第402回
久しぶりにクナを聴いた。1962年4月14日と63年5月10日ににケルンでライブ収録されたブラームスの交響曲3番とブルックナーの7番。どちらもクナ選手の18番だが、なぜだかいつものようには心弾まず。いったいどうしてこんなに淡白で燃えないのかとだんだん腹が立ってきた。オケのケルン放送交響楽団が、親分のいうことを聞かないのかな。
クナはスタジオより実演で燃えるタイプだが、曲によってはまるで冷徹な外科医の絶対失敗しない手術のような演奏をする時もあるから、まあしゃあないか。
それとも、この節の全地球的気狂い現象に、おらっちの耳と心が汚染されている証拠かもしれないな。
「指輪」と「パルシファル」と「全オペラ」以外のほぼ管弦楽曲全曲!を収録した彼の70枚組の「クナ・コレクション3」をいっきに衝動買いしようかと思っていたのだが、その衝動がどっかへいっちゃった。しばらく様子をみようっと。
バーキンが儚く歌う「ロストソング」あれには多少の思い出がある 蝶人