あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

「鎌倉文学散歩」で由比ヶ浜周辺を歩いて

2018-04-20 13:23:28 | Weblog


蝶人物見遊山記 第279回&鎌倉ちょっと不思議な物語第399回


鎌倉文学館が主催する春の町歩きに参加しました。
今回は、由比ヶ浜方面ですが、別にどこだったいいののです。どうせ午前中で解散になるのですからね。

江ノ電の和田塚駅前に集合してから、和田義盛一族が悪辣非道な北条どもの陰謀によって無残な最期を遂げた「和田塚」に詣で、かつて多くの文人たちに愛された鎌倉海浜ホテルの跡地を訪ねました。

ここは昭和9年末から翌年の正月にかけて昨日紹介した与謝野鉄幹&晶子夫妻も滞在しています。そのとき晶子は、

 芝草の黄皮を著たる鎌倉のホテルの庭の初潮の音
 由比が濱外に反りたる白き身の内に巻かれて帰る波かな
 正月の五日大かた人去りて海のホテルの廊長くなる

などの歌を詠んでいますが、2首目などは明星派というより子規を思わせるアララギ派の写生ですね。3首目の心理詠もなかなか面白い。

大正から昭和のはじめにかけて、ここいらへんに久米正夫や芥川龍之介、里見弴などが住んでいたそうですが、当時は家屋敷はほとんどなくて、大半が砂と畑と松林だったようです。

次に訪れたのは「虚子庵跡」で、ここには

 波音の由比ヶ濱より発電車

という高浜虚子の小さな句碑が立っていました。家のすぐそばを、今も江ノ電がガウガウと走っているのです。

由比ヶ浜通りに出ると、川端康成なども愛好した鰻の名店「つるや」があります。
ここは最近では小川糸さんの「ツバキ文具店」を原作にしたテレビドラマで、現場ロケを敢行していましたね。
私もしばらく前にこの老舗の二階で貴重な鰻重をちびちび食したのですが、階下で勘定していると、なんと中国人のお客が大勢つめかけていて驚きました。
こんなところまで観光客が押し掛けるとは、ほとんど悪夢のようずら。

それはともかく、小川糸さんは数年間鎌倉に滞在して、あの小説を書かれたそうですが、題名のモデルになった文具店は、おらっちの推測では第二小学校の校門の向いにある小さなお店であろうよなあ。きっと。

散歩の最後は、笹目ヶ谷の奥の方にある作家星野天知の旧居跡を訪ねました。
この別荘には随筆家の相馬黒光が寄宿したそうですが、残念ながら私はこの2人についてなーんにも知らない人なのでした。

はい、皆さん、ちょうどお時間参りましたね。サイナラ、サイナラ、サイナラ。


  「出前市議!」をめざすとチラシが入ってきた自民党新人モリ議員 蝶人


コメント
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