あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

名匠たちの思ひ出

2018-04-27 11:52:36 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1336、37, 38、39


1)スタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」

競馬レースを悪用して巨額の売上金の強奪を図った男たちの野望と実行を緊張感を保ちつ描き切る演出力は凄い。


2)ヒッチコック監督の「ダイヤルMを廻せ」

浮気した妻のグレース・ケリーを、夫が遺産目当てに殺そうとして失敗する話なり。
アパートの鍵が殺人事件の鍵を握っているのだが、そのことが頭の悪い私にはやや分かりにくかった。
でも江戸川乱歩の探偵小説よりはるかに論理的な組み立てになっている。
しかし明日は死刑執行されるというのに、死刑囚の妻を警部が犯行現場に連れてきたりできるのだろうか。

3)小津安二郎監督の「東京暮色」

1957年製作の知られざる傑作である。
小津映画のテーマの大半が嫁入り話だが、この映画ではヒロインの有馬稲子が未婚の母になるも中絶したり、自分の出生の秘密に深入りしたり、いつもとは違って人世の暗黒面を深刻に描いていて興味深い。
もっとこういう方向を徹底的にえぐる映画も撮ってほしかったなあ。


4)フランチェスコ・ロージー監督の「シシリーの黒い霧」をみて

1962年製作のモノクロ映画だが、現地ではシチリアのロビンフッドとも讃えられる山賊の実に奇妙奇天烈な謎多き生涯を描きだす。
憲兵を殺害したり、義賊と呼ばれて民衆に施し物をしたり、シチリア独立に一役買ったりする一方では、イタリア共産党員を虐殺したり、マフィアと手を結んだり、やりたい放題の山賊の首領だから、仲間に裏切られて殺されても本望だったろう。

 トイレまであと一歩というところでパンツにぶちまけられたビチビチうんこ 蝶人
コメント
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