あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

2018年夏の歌 Ⅱ 「挽歌」

2018-09-23 10:46:50 | Weblog


これでも詩かよ第246回


眩しい真夏の光の下、
滑川の上流で戯れていた鮎たちは、
海の方へ下っていった。

いたどりの葉っぱの上で、
ひねもす交尾していたゴマダラカミキリは、
どこか遠くへ行ってしまった。

阿弥陀山の中腹で、
なにやら怪しげな呪文を呟いていた不如帰は、
行き合いの空で、行方不明になった。

だが、朝夷奈峠の麓には、
まだわずかばかりのセミたちがいて、
去りゆく夏への挽歌をうたっている。


  青木山田バレンティンノーヒットにてヤクルト敗れる 蝶人
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