あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

続々・初秋の夜なべの映画10連ちゃん 

2018-09-15 09:54:43 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1817~1826


1)ジョン・フォード監督の「大陽は光り輝く」をみて
ちょっとカプラの「スミス都へ行く」を思わせる、いかにも昔のアメリカらしい最後に正義が勝つという「感動的なヒューマニズム」映画ずら。
1953年のジョン・フォードの政治的立場が分かるというものだ。
しかしラストシーンをみていると、熾烈な戦いに勝利したばかりのプリースト判事(チャールズ・ウィニンガー)は、死んでしまうのではないだろうか。

2)ピーター・ハイアムズ監督の「2010年」をみて
ものすごく謎めいた傑作だが、よく考えると何が何だかさっぱり分からなかったキューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の続編なり。
こちらの方が物語のあらすじは分かりやすいが、映画としては普通の仕上がりになってしまった。
原作者のクラークからこの続編の製作を勧められたキューブリックが固辞した理由が、なんとなく分かるような気がする。

3)サム・ペキンパー監督の「ビリー・ザ・キッド21歳の生涯」
なんとケピンパーの1973年の西部劇にあのボブ・ディランが主題歌を提供するだけではなくてなんとなんと出演してる! 
ビリー(クリス・クリスト・ファーソン)は昔の仲間のパット保安官(ジェームズ・コバーン)に撃ち殺されるのだが、その両方をとりもつような微妙な役回りなのである。
驚いたなあ。
ジョン・ウエインが主演した映画の主人公「チザム」は、この対決する2人の雇い主でもあったそうだ。

4)エリア・カザン脚本&監督の「アメリカ、アメリカ」をみて
1964年に製作されたエリア・カザンのおじさんの物語。
トルコの圧政下で呻吟するギリシア人の青年が死ぬほど苦労しながらもついに希望の国アメリカに辿りついて一家を呼び寄せるまでの波乱万丈の物語を緊迫感あふれるモノクロームで描く2時間半を超える超大作。
それにしてもあんな因業なトルコ人に全財産を奪われ悪態をつかれたら私だって刺し殺すだろう。
主人公を愛しながら持参金を差し出しNYまで渡航させる婚約者や、上陸直前に投身自殺して主人公とすり変わる死病に冒されたアルメニア人など、忘れがたい数多くの人物が登場する。

5)ティム・バートン監督の「スリーピー・ホロウ」
18世紀のNYから地方に派遣されたいつも哀しげな憂い顔の捜査官ジョニー・デップが謎の連続殺人事件に挑む。「科学的捜査」を売ものにしていたくせに、さっぱり役立たず、魔女やのろいや黒魔術の魑魅魍魎の世界にどっぷりとりこまれてしまうのはなんでだ?

6)ジョージ・シートン監督の「大空港」をみて
アーサー・ヘイリーの原作の面白さが生かされた、いかにもなハリウッド超大作。
哀しい最期を遂げたジーン・セバーグのまだ元気な頃に姿が見られるが、この頃1970年にはもう精神的にまずい状態にあったという。
さて無事に帰還したものの、ランカスターとマーチンの夫婦生活はどうなるのだろう。
飛行機の乗客の中にジャック・ニコルソンがいた。

7)キャスリン・ビグロー監督の「ゼロ・ダーク・サーティ」
9.11NYテロのアルカイダの首謀者オサマ・ビンラディンを暗殺した米CIA特殊部隊の苦労を描くが、当事者の立場だけから描かれているので説得力がない。

8)ハーバート・ロス監督の「魔天楼はバラ色に」
マイケル・J・フォックスが偽社員になりすまして大活躍して大出世、大成功を収めりという大大夢物語だがあまりにも空々しくて。

9)ジョージ・ロイ・ヒル監督の「スラップ・ショット」をみて
弱小負け組のホッケー・チームの泣き笑いを名匠ロイヒルが面白可笑しく見せてくれます。3つ子のハンセン兄弟の無茶振りや男の氷上ストリップなども飛び出してこれくらい痛快無比な喜劇映画も珍しいだろう。
コーチ役の主役のポール・ニューマンがいい味を出している。

10)スピルバーグ監督の「マイノリティ・レポート」をみて
プロットは2転、3転、なかなか面白いが、そもそも嘘八百の噺を映画にするのがそんなに面白いのかしら。ご苦労なこった。

 フジサンケイグループぜんぶ嫌いだがヤクルトだけはその限りにあらず 蝶人

コメント
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