あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西暦2019年水無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2019-07-01 14:24:46 | Weblog


ある晴れた日に 第574回



1989年6月5日戦車隊の前に立ちふさがった青年よいずこ

軍艦も戦闘機も要らんからその全額を年金に廻せ

トランプはんがもし運転手なら誰ひとりバスや電車に乗らないだろう

ありがとうトランプさんよ得たりや応我ら直ちに安保解体

この機会に全米軍が出ていけばお互いどれほどスッキリするか

トランプさんにとっておきのニュースですアメ車が一台走っていたよ

憑きものの落ちるがごとく已みにけり令和令和の大合唱も

あという間に誰も令和といわなくなるそんなもんだよ日本人は

天皇や元号が変わると嬉しいか不思議な国の呆れた人々

溺れたる犬打つごとく日産は元会長のゴーン氏を叩く

日産はゴーン氏をテッテ的に追い詰める中興の祖というべき人だが

70年代の英国ロックスターのビデオをみるその多くは姿を消した

CMの「オリーブオイルはキヨエ」なる唄取り憑きて脳より離れず

平成が令和になるとも我が家での日々の暮らしは変わらず流る

八年の大日常に呑みこまれ流されてゆく大震災

失われし時を再び見出して永遠に生きるかマルセル・プルースト

若沖がリアルに描いたアゲハ蝶と実際のアゲハのわずかな違い

若沖がリアルに描けば描くほど超リアルになる鶏の群れ

奥村氏の「気づきの歌」をお手本に「なにゆえ歌」でおいらは頑張る

新聞歌壇で選ばれるコツは丁寧に葉書の文字を書くことよと妻

ギターと言えば80年代前半にアズテック・カメラのロディ・フレーム

寝たきりの友噎せ返り笑いたり某教授へのわが悪罵聞き

人間をナイフで殺すのも車で轢き殺すのも殺人は殺人

春型の揚羽はみんな小さくて紋白くらいの大きさのもある

深緑黄緑朝碧緑を率いて5月は旅する

窓辺よりチャイコフスキーの舟歌流れ今年も水無月がやってきた

歯磨きの後で嗽をしないからスウェーデンでは虫歯少なし

あなやというそのときに妻の左目に堕ちた極小のゴミ痛し

次々に最新ニュースが押し寄せて最最新が最新を駆逐す

GUの2400円のジーンズを990円で買うごっつええ気分

喫煙とはすなわち毒を呑むことで君と妻子を死に至らしむ

こうやっていろいろ短歌をつくってもそれがいったい何になるんか


 ネズ公に齧られた林檎をよくみれば歯の真ん中に溝があるなり 蝶人
コメント
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