照る日曇る日 第1278回
ブリュノフの最終作は、ぞうではなくさるのゼフィールの物語。夏休みにさるの国に里帰りしたゼフィールは魚釣りいって人魚を釣るが、この事件がきっかけとなって誘拐されていた王女を救出し、ゆくゆくは王子の地位が約束されることになる。
ブリュノフの筆はいつものように前向きで楽観的で、生きる喜びをまっしぐらに追及する。そしてそこに展開されていくグラフィックの世界の楽しさと豊かさ。
翻訳の矢川澄子の自筆による文も味わい深い。

のど自慢の最後を締めるプロ歌手の唄のうまさを初めて知りぬ 蝶人