闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.2012~2016
1)リチャード・グラツァー監督の「アリスのままで」
若年性アルツハイマーに襲われた女性のありのままを描きつくした障害物映画の傑作。リチャード・グラツァー監督自身がALSの患者ゆえにワンカット、ワンカットに切実な思いが籠っている。
2)バズ・キューブリック監督の「ハンター」
実在した犯罪者ハンターの物語。1980年製作のこの映画をみると元気溌剌なのに、これがアスベストと関連したガンで50歳死んだガスティーヴ・マックイーンの遺作となってしまった。残念。
3)ロバート・ワイズ監督の「傷だらけの栄光」
NYのならず者ロッキー・グラジアノがなんとか更生して世界チャンピオンになるまでを名匠が描く。当初j.デイーンが演じることになっていた主役を急死で代役にたったポール・ニューマンが素晴らしい。そしてその妻に扮する、39歳で夭折したピア・アンジェリの美しいこと!
4)アラン・レネ監督の「24時間の情事」
ナチ占領下のヌヴェールでドイツ兵を愛して郷里から追放されたエマニュエル・リヴァが広島を訪れ、建築家の岡田英次と24時間愛し合うが、お互い妻子持ちだし、それぞれの人世があるので、どうしようもなくなる話。
5)デヴィッド・リーン監督の「ドクトル・ジバゴ」
ロシア革命に翻弄されながら波乱万丈の時代を生きる医師&詩人の物語で、みているうちに名匠リーンは、たった1篇の映画の中に一時代を封じ込めることに成功したのではないかという錯覚にとらわれる。はじめにバラライカがあり、最後にもバラライカがあって、
溢れ出ようとする感情をぐっと抑えたモーリス・ジャールの音楽が泣かせます。
場所ごとに人気力士を取り上げて凋落力士は忘れるマスコミ 蝶人