蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.314
去年の今頃は朝から太陽がかっと照りつけ、それこそ生命に危険なほどの暑さに七転八倒していたものだが、今年は打って変わった長梅雨で、洗濯の天日干しはおろか私の趣味の布団干しもできない。
植物の生育が遅れるので、野菜の値段が高騰しているが、動物や昆虫にもその影響が及んでいて、例年ならうるさいほど鳴くニイニイイゼミも声をひそめて、まだ幼虫のまま樹木の地下系にしがみついて気気温が上昇するのを待っている。
今朝ゴミを捨てに外に出たら、ツバメが電線にずらりと並んで雨が上がるのを待っていた。こんな梅雨空に飛ぶ殊勝な昆虫は少ないから、いくら遠方まで羽根を伸ばしても、育ち盛りの子燕が口を開いて待ち望んでいる餌はなかなか見つからない。
子燕の成長が遅れると彼らの命がけの遠洋航海にも大きな障害が出てくることだろう。
参院選で自公が敗れ、いつものような夏空が戻ってほしいものだ。

復興に五輪は役に立つのだろうか 考えているうちに大臣辞める 蝶人