あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

蝶人皐月映画劇場その5

2020-05-28 13:08:21 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2125~34

1)クロード・シャブロル監督の「クリシーの静かな日々」
私がまったく評価しないヘンリーミラーの小説の映画化であるが、話の中身も役者も最低で、まったくどうしようもない仕上がりになった。

2)ジョン・フォード監督の「黄色いリボン」
1949年製作のジョンウエイン主演の騎兵隊物で、あの懐かしい主題歌が効果的に使われており、良くできた西部劇だとは思うが、カスター将軍の第7騎兵隊を全滅させた先住民大連合軍は1万人いたはずなのに、その一握りしかやっつけていないのに大喜びしているのは頷けないずら。

3)ルイジ・コメンチーニ監督の「ブーべの恋人」
ブーベことパルチザンの闘士J・チャキリスを愛したマーラことクラウディア・カルディナーレ。1963年製作のイタリア映画だが、戦後も右翼&ファシストとパルチザンの抗争は続いたんだなあ。カルディナーレ可愛らしいなあ。

4)ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「夜」
マストロヤンニとジャンヌ・モロー夫妻の前に登場したモニカ・ヴィッティの戦慄すべき美しさ!それを映像に定着することだけがアントニオーニの目的だった。それにしても1961年当時は愛の不毛とか都会人の孤独と疎外なんちゅうモチーフの映画が多かったなあ。今と違って贅沢じゃった。

5)山田洋次監督の「霧の旗」
兄が無実の死刑判決を受けた妹の倍賞千恵子が滝沢修の弁護士を恨んで徹底的に復讐する恐ろしい物語ずら。松本清張の原作を1965年に映画化。もし寅さんが大ヒットしなければ倍賞を起用したくこのような傑作が数多く誕生したかもしれない。しかし新珠美千代はいいなあ。

6)青山真治監督の「こおろぎ」
鈴木京香は好演しているが、せっかく山崎努をつかいながら、この監督、そして脚本の岩松了はいったいなにをいいたいのかさっぱり分からん。時間とカネの無駄ずら。

7)小津安二郎監督の「戸田家の兄妹」
1941年の製作。夫の死後、未亡人の母と未婚の妹が長男、長女から冷たい仕打ちを受けたので、それを知った次男佐分利信が1周忌の場で激怒し、彼らを退場させるのでびっくりポン。その後は3人で仲良く暮らしましたという展開はおやおや、という気持ちになるずら。

8)溝口健二監督の「残菊物語」
2代目尾上菊之助(花柳章太郎)が5代目尾上菊五郎(河原崎権十郎)に反逆して家を飛び出して辛酸をなめるが結局元の鞘に収まるが可哀想に恋女房の森嚇子は死んでしまうという聞くも涙の物語だが、1939年溝口の演出が冴え捲ります。

9)長谷川安人監督の「十七人の忍者」
大友柳太郎率いる伊賀忍者の悲劇的な暗闘ずら。三島ゆり子懐かしいずら。

10)「マスター・アンド・コマンダー」
ラッセル・クロウが苦労しながら奈翁仏軍の最新型米製戦艦を撃沈する2003年の血わき肉躍る海洋戦闘ドラマ。最近のピーター・ウィアーは詰まらないので何の期待もしていなかったが、意外にも面白かったずら。ガラパゴスのトカゲまで出てくるでよ。

        コロナ禍も冥途の土産よ青嵐 蝶人

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