照る日曇る日第1709回
「現代日本詩集2022」と銘打った増頁特大号を図書館から借りてきたのは、田野倉庚一選手による熱のこもった長田典子さんの詩集「ふづくら幻影」評を読むためでした。
が、ついでに私が不勉強なために、殆ど名前も知らない「超有名実力派現代詩人たちの作品」をつらつら通読してみたのですが、ヴェテランから若手まで、特に若手の作品はいずれも炭酸の抜けた冬のサイダーのような作品ばかりでガッカリ。間違ってもこんな詩人たちをお手本になんか絶対にしたくないな、と思ったのが唯一の収穫でしょうか。
そんななか、これは!とふさがりそうな双眼をクワッツと見開いて読み入ってしまう熱量を放出していたのは、吉増剛造&和合亮一両選手の「未知の、不確かなほうへ歩いていく(石巻から/浪江から)というタイトルの対談で、2011.3.11を今に生かそうとする2人の強烈な意思に打倒されて、思わずたじろぐ想いでありました。
羽生藤井エスカレーターで擦れ違う非情なるかな勝負の世界 蝶人